モラハラDVを抑え込む術、爆発までの時間稼ぎ
私たちは夫の実家で暮らし始めた。
最初は私も観光気分で、夫もそんな私を色んなところに連れて行ってくれた。
私は夫のご機嫌を保つために、夫の国やその国の人たちをいつも褒めちぎった。
初期のモラハラやDVにはこれで時間稼ぎができたが、重度のモラハラDVになってくるとこの努力は無駄になり、やはりもうモラハラやDVの初期段階でさっさと逃げるべきだ。
ただのストレスで一時的にモラハラになっている人の場合はここで自覚して、自力でストレスのない生活に移行していくはずだ。
ここは大変難しいところだと思うが、モラハラDVは鬱とも関係があるように私は感じた。
それは私自身が、夫からのモラハラDVで一時的に精神的に不安定になり、全てが敵に見えて攻撃的になっていた時期があったからだ。
多くの人が鬱を抱えていると聞くが、その全ての人がモラハラやDVになるわけではないことから、やはり暴力を止められない人は特別だと思うし、一度暴力を振るうと終わりなのだと思う。
一度暴力を振るうとハードルが下がり、一度殴ったけどまだ生きてるし加害者から離れていくことはしないから大丈夫だと考える。
そもそも、モラハラDVをする前に被害者が離れられないような環境を作っているし、それを許してくれるような人間をまず選んでいる。
そしてエスカレートしていき、本当に被害者が死んでしまうまで止められないのだ。
これはもう治ることはない。
自分よりも体力的に強い人の前では我慢できるが、結局自分より弱いものを見つけてそちらに八つ当たりするのだ。
加害者本人も暴力を我慢するのは非常に辛いのだと思うが、
私は特に夫の国を悪いとも良いとも思っていなかったが、必要以上に褒めた、褒めまくった。
夫が仕事で忙しかったというのもよかったと思う。
夫は私にかまっている時間もなかったため、夫は夫でその頃は罪悪感を持っていたように見えた。
忙しくて私に構えないこと、私が育児で大変なのに手伝ってあげられないことを悪いと思っているように見えた。
私は気が緩んでいたのだと思う。
いや、普通はこれを気の緩みとは言わないだろう。
結婚し、赤ちゃんがいて、夫がいる。
人生で一番幸せな時期と同時に一番大変な時でもある。
すでに私の中で精神的には夫が優先で、身体的には赤ちゃんが優先という感じだった。
言葉の分からない異国で、小さい、今にも壊れそうなほど小さい命を守っていくのは本当に大変なことだ。
全く読めない文字、全く理解できない言葉、馴染みがなさすぎて、この国では私がたった一人の外国人のような気がしてとてつもなく孤独を感じることもよくあった。
一度赤ちゃんがひどい下痢をした時、夫が仕事で抜けられず、夫の両親が病院に連れて行ってくれた。
全く言葉が通じなくて、泣きそうになったが義父が病院で英語を話せる人を見つけてきてくれたときはほっとして泣いた。
大きな病院だっったから見つかったのだと思う。
その後、夫は家から徒歩圏内で日本語が話せる医師がいる病院を見つけてくれたため私の不安はかなり解消された。
その医師もとても親切で、緊急の時は予約がなくても優先して診てくれた。
そうして夫以外の人たちの助けを借りながら、私は何とか子育てをしていた。
そして夫にも夫を助けてくれる人が側にいたことも、私が命拾いした要因であり、逃げられなかった原因でもあった。