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夏休みの教室、放置された虫かごのカナヘビ

つまりカラッカラということである。
(この記事は、泣きすぎてカラカラになった映画を紹介する記事です)

小学校低学年の頃の9/1の新学期、教室のロッカーの上に捕まえたカナヘビが誰にもお世話されずカピカピになっており、先生の怒号と共に男子たちが校庭の隅に埋める姿を毎年のように目撃した。

その約20年後、様々な映画を観るようになり、不謹慎ながらわたしはあの時のカナヘビの姿を思い出した。

氷が入ったドリンクはトイレが近くなるから、映画館での映画の鑑賞中はあまり摂らないようにしている。だから終わった後喉が渇いて仕方ないし、ファンデーションが涙によって溶かされた筋が幾重にもできている。
映画というものは不思議なもので、「予告も観たし前準備バッチリ!!ヨッシャ!!!泣いてやるぜ!!!」と気合いを入れて挑んだ作品ほどまったく泣けず、気軽な気持ちで観た作品ほど泣きすぎて呼吸困難になったりする。
泣きすぎて苦しいこともある。映画館だと嗚咽して泣くこともできないから、声を堪えて息をひそめる(これだけ聞くと、少し淫靡である)。脳に酸素が行きわたらなくなってきて、段々しっぽが生えてくるのを感じる。そう、わたしはあの日のカナヘビになるのだ。

前置きが長くなったが、今日はわたしがカナヘビになった映画ベスト3を紹介したい。


第3位 希望の国

園子温監督の作品である。

2012年。10年前のわたしは、愛のむきだし、冷たい熱帯魚、恋の罪、ヒミズ、、等々、園子温監督の世界にドハマりしていた。
正直なところ、園子温監督作品の、アングラで、バイオレンスな映画を観ている自分が好きだったという部分もかなりある。「その辺の恋愛映画を観ている人とは違うのよ…」と、勝手に人にマウントをとっているヤバ痛い女であったのだ。

そんなある日、友達と新宿ピカデリーを初めて訪れて、「希望の国」を観た。
いつも通りの、園子温節炸裂期待!!!と思って特に前情報もなく見始めた。

終盤に差し掛かったころ、涙が止まらなさ過ぎてクラシ〇アンを呼ぼうかと思った。(瞳の水のトラブルである)

途中から会場のところどころから鼻をすする音が聞こえた。

客電がついて隣の友達の姿を見ると、友達も目を真っ赤にして泣いていた。
その友達の奥の知らないお客さん達も、わたしの横のお客さんも、わたしが座っていた1列全員が大泣きしていた。

少々ネタバレになるが、「自分が愛して育ててきた動物」を、これから先のことに悲観して、自分の手で殺すシーンが一番悲しかった。
認知症を患った奥さんとの夫婦の日常会話も、温かくて痛くて胸がチクンとなる。
これまた余談だが、希望の国で大好きになった夏八木勲さんが、「永遠の0」のエンドロールでお亡くなりになったクレジットを見て、悲しくて悲しくて、八王子の大通りでこれまた大泣きした。

もちろん泣けるばかりでなく、途中、「園子温監督感だ、、!」となる部分も随所に散りばめられている。
だが、私の中では園子温監督に良い意味で裏切られた作品だった。

たまに演技レッスンで涙を出さなければならない時、この映画のことをこっそり思い出している。

第二位  ボヘミアンラプソディ

何から書けばよいのだろうか、、
とりあえずわたしは「クイーン!なんとなく知ってる!スッゴイ流行ってる!イェイ!!!」といった最悪すぎるミーハー魂で立川のシネマシティを訪れた。
シネマシティは音響がスゴイ映画館で有名で、ボヘミアンラプソディを観るにはうってつけの映画館なのだ。
…とか言ってるけど、正直わたしは音響の良し悪しはあまりわからない。
だが、どうやらライブで使う用のすごいスピーカーがあるらしい。と、、言われてもやはりいまいちピンとこない。耳がおばかさんなのである。

音響云々は置いておいて、本作品は、「ここで泣けェ!」と、訴えかけてくるような「いかにも」なシーンはとりわけ無い。

だが、ストーリーが進むにつれて、フレディの苦悩、仲間との確執、家族、才能ある人の早すぎる死、すべてのストーリーが絡まりあって、ボォっと胸を熱く燃やすのだ。

終わった後、すっかりクイーンの大ファンになっていたし、エンンドロールのDon't stop me now は泣ける曲ではないのにフレディの生い立ちを観ながらダーダー泣いた。またク〇ラシアンを呼びたかった。

ちなみにおかわりボヘミアンラプソディもしたが、2回目は初ライブのKeep yourself aliveからダバダバ泣いてしまった。「ここからクイーンが始まっんだ……」と思うだけで涙腺が弾け飛んでウォールマリアをも超えたと思う。
ラストのライブエイドのシーンが有名だが、わたしはライブエイドに行くまでのシーンで既にカナヘビになっている。
なんなら、ラストシーンを知っている人なら、冒頭のライブエイドの幕が上がるところから泣けるのではないだろうか。

これは「このあとフレディが死んでしまうから泣ける」わけではない。
「メンバーが仲直りしてライブをする」から泣けるわけでもない。

フレディのまわりのみんなと、フレディ本人の「愛情」がドドっとそこに集結してるんじゃないかな。
こうやって書いてるだけで泣いちゃいそう。またみよっと!


(映画館の帰りのエレベーターの中で、カップルの男の子がゲロ吐きそうなくらい嗚咽してて、彼女が「誰かにいじめられたのかよwww」って言っててウケたよ)(けど気持ちわかるよ)


そして第一位!

ドラムロール!

ドドドドドドドドドドドド…

🥁


ドン!


第一位 リメンバーミー

地上波でこの映画が放送されると、開始5分で友達から、「かほちゃん泣いてる!?」と連絡が来る。

それほど、「リメンバーミー=かほちゃんがヤバい映画」という方程式が成り立っている。

この映画を観に行く前日、テレビではトイストーリーが放送されていたのだが、そこでも大泣きをかましたわたしは(今回はランクインならずでしたが)、「フッ…リメンバーミー…わたしを泣かすことができるかな…」
と謎の挑戦状を心の中で叩きつけていた。

結果、惨敗。

観る前の私「フッ…ソナタはトイストーリーに勝てるのか…?」
観た後の私「フギャア…フギャア…亡くなった人のことをずっと語り継いで、絶対に忘れないようにしよう…フギャア…大切な人に、ずっと死者の国で楽しく過ごしてほしい…フギャア…」

こんな感じである。
泣きすぎてマスカラを無駄にした。塗らなければよかった。

最後のミゲルくんとママココのシーンで飲んだもの全部涙になって出てくるから要注意である。

他にも、最後に恐る恐る橋を渡ろうとするヘクターとか、税関(?)通れるかな?って心配するヘクターとか、ヘクターとかヘクターとか、、、この物語の要は私的にヘクター。

ディズニーシーでリメンバーミーの飾りつけを観ただけで涙が出てくるから、ディズニーにもお直し用の化粧品もしっかり持っていこう(あんただけだよ)

ちなみに、心が荒んでいたときに配信映画で初めて課金してしまったのもこのリメンバーミー。。
「泣いてすっきりしたい」「心を浄化したい」そんな時にもおすすめ!


というわけで、永瀬的カラッカラになるまで泣ける映画ベスト3をご紹介しました。

わたしがカラカラになってても、映画館で放置しないで、お水をください。

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