社会的弱者に同情する、その前に
Netflixで、「レボリューション」を拝見しました。
アメリカで出馬した女性たちの話で、彼女たちは黒人の権利や労働階級の権利、また、女性の権利について語っています。
色々なマニフェストを掲げていると思うけれど、この映画の中では“国民皆保険”について語るシーンが一番多かったです。
いわゆる社会的弱者の味方として、彼女たちは出馬し、支持率を上げるべく、色々な壁を乗り越えていくという、ものすごく面白いドキュメンタリーでした。
私も思想としては彼女たちに賛成で、LGBTQの方々の権利はもっと拡張されるべきだし、
女性の権利や労働階級の賃上げ、保育士や介護士などの給与の見直しには基本的には賛成です。
賛成であることを前提に聞いてほしいのだけど、
社会は社会的弱者を“可哀想な人たち”で“守られるべき人たち”だと
思いすぎていないかな、と思うことがあります。
大学時代、私は教育と福祉への関心が高く、色々なボランティアやそれに準ずるアルバイトをしました。
恵まれない家庭で育つ子ども達への講師ボランティアや
障がい児童の放課後デイサービスでのアルバイト、
保育園での長期休暇期間のアルバイトや介護施設でのボランティア。
ホームレスの方々への炊き出し、障がい者雇用支援の職場でのインターンなど、
自分の経験を通じて、そういった方々への理解は深い方であると思っています。
その中で私はとても複雑な気持ちを抱きました。
例えば講師ボランティアをしていた時、
当たり前ですが、殆どの子どもは勉強なんてしたいと思ってないです。
もっというと(私のボランティア先だけかもしれませんが)殆どの子どもは途中で通うこと自体を辞めてしまいます。無料で学ぶ機会を与えても、その機会を放棄します。
結果、学力が伸びることはありません。
ホームレスの方はこちらがどんなに仕事を紹介や案内しても、殆どの方は途中で仕事に行くことを辞めてしまいます。
頑張りたいけど頑張ってない、というわけでは
正直ないんじゃないかと私は思ってしまいました。
大学時代、私は奨学金を受給していました。
私は毎月支払われる奨学金を親に渡して生活していました。
だから、同じ奨学金を受給している恋人が「お小遣い」としてそれを使ってるのを見た時にビックリしたのをよく覚えています。
その恋人とは在学中に別れましたが、留年し、就活もロクにせず、
奨学金を自身と家庭の問題で返済を延長し続けています。
私は大学に通いながら貯金したお金と、就職してからの給与で6年ほどで返済しました。
きついかきつくないか、で言えばキツかったけれど、そんなに大騒ぎするほどか?と、正直思いました。
社会的弱者が、頑張っても報われない、と思ってないですか?
はっきり言って、そんなことはないです。
むしろ、裕福な家庭に生まれた子達の方が親の期待のもと、強制的に努力を強いられる分、頑張った結果、手に入れる人たちが多かったと思います。
お金があって親が良い仕事に就いていれば
何もしなくても良い大学に入れると思ってますか。
そんなことは全然ないです。
頑張らずして早慶上に入学してる人は殆どいません。
もちろん、本当に家庭が貧しくて困窮してる方々がいることも理解しています。
障がい児童の放課後デイサービスで働いていた時、子どもの医療費や車椅子、オムツなどの日用品などで健常の子どもより圧倒的に経済的に圧迫されるのに、国は殆ど補償をしてくれず、
子どもの体調が悪くなりやすいため、会社や仕事も融通の利くポジションなどで働かなければならず、給与もなかなか上がらない、おまけに離婚率も高い。
講師アルバイトをしていたときも、大学の受験費用が用意できないため、国立の一校になんとしてでも受からなければならない子がいました。
成績的には日東駒専以上であれば問題ないけれど、5教科7科目の膨大な勉強量と国立の合格率を考えると厳しく、また、地方の国立は家庭の経済状況からして、一人暮らしさせることは無理なため受けられず、都心の難関国立大を受けざるを得ず、
その子を見た時は「国はどうして、この子のために何かしてあげられないんだろう」と思いました。
そういう、報われるべき人は報われず、
“利用するのが上手い人”が救われてしまうのが
社会的弱者救済の怖い一面です。
社会的弱者を国が救うということは、国民の税金徴収額が増えるということです。
何もしないで今のままで、救う方法はありません。
あるいはどこかに当てる国費を減額して、そちらに回すという方法もあります。多くの人はそれを望んでいるかと思いますが、恐らく弱者救済するにはそれをいくら努めても難しい部分があるでしょう。
私は今の政治に納得しているわけではないし、救われるべき人は救われるべきだと思っています。
私自身、困ったことも何度かあります。
だけど、そもそもの今の制度が本当に健全なのか見直してから、訴えるべき課題も沢山あると思います。
訴える前に、まず知ること。
それは私たちが時間を割いてでも、必ずしなければならないことだと思います。
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