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短編小説

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5分かからず読めるような短編小説のまとめです☺︎
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2020年7月の記事一覧

幸せがどうのとかなんとか

幸せがどうのとかなんとか

 綺麗な夕焼けがみえるというのに、窓の外から子どもの声は聞こえてこない。この辺りって子ども少なかったっけなぁ。あまりご近所付き合いをしないから、よく思い出せない。彼女と暮らす部屋をここに決めたのは、家賃と間取りがちょうどいいというそれだけの理由だった。駅から近いわけでも交通の便が特別いいわけでもないが、ふたりとも引きこもり体質だから、居心地の良い家にしようと話したことを思い出す。

 今日は晴れた

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主を待つ猫

主を待つ猫

 彼のアパートには猫が棲みついている。全身真っ黒の、痩せた猫だ。餌をやっているわけではないけれど、彼がみえると喉を鳴らしながら擦り寄っていくさまは、まるで飼い主を待つ犬のよう。気まぐれな猫のくせに、と笑うと、貴女もじゃない、と言われた気がした。浮き草のように生きてきたのに、気付けば一年半も彼の周りを彷徨っている。
 惚れたもん勝ちなんて嘘だ。ずっとずっと、負い目に感じるのはわたしの方。好きだと自覚

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七夕まであとすこし

七夕まであとすこし

 夜勤明け、マンションのエントランスには七夕飾りがされていた。曜日感覚どころか日付感覚もなくなっていたから、あと一週間もしないうちに七夕になるなんて知らなかった。そもそも七月になっていることさえも。

 エレベーターを待つあいだ、短冊を眺める。小さな子どもの字で「ゲームがもらえますように」と書かれたものをみつけ、微笑ましくなった。文字の下にはゲームのキャラクターであろうイラストが添えてあり、それは

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