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【読書記録】5冊目「空色勾玉」
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概要
輝の大御神の双子の御子と闇の氏族とが烈しく争う戦乱の世に、闇の巫女姫と生まれながら、光を愛する少女狭也。輝の宮の神殿に縛められ、地底の女神の夢を見ていた、〈大蛇の剣〉の主、稚羽矢との出会いが、狭也を不思議な運命へと導く……。
感想
たった今読了して、放心状態でnoteを綴っている。
いや、面白すぎた。
人生でほとんど読書をしてこなかった私だが、唯一、小野不由美先生の「十二国記」だけ夢中になって全巻読み漁ったことがある。
この「空色勾玉」は、久しぶりにそのときの高揚感を思い起こさせる作品だった。
おそらく児童書に分類されるようなのだが、個人的には結構難しかった。
漢字も多いし、人の名前も難しい・・・。
なにより、日本神話の基礎を知らないと、なかなか理解しにくい作品だと感じた。
私も日本神話について調べながら読み進めたが、正直最初は面白さがあまり分からず。
だが、稚羽矢が登場してから一気にストーリーが面白くなった!
というか、前提知識ゼロで読み始めたので、表紙のイラストからてっきり少女二人の絆のストーリーかと想像していたのだが・・・
まさかの稚羽矢は「少年」。
うわーーー、こういうの大好き。
狭也は月代王か鳥彦といい感じになるのかと思ったが、
狭也と稚羽矢の恋の物語だったのね。
(私は鳥彦が好きだったので、幸せになってほしい)
この作品は、「死生観」がテーマになっていて、
・不老不死で、死を穢れとしている「輝」の氏族
・八百万の神に仕え、何度でも転生する「輝」の氏族
の対立を描いている。
「変わらないものが美しいのか、変わるからこそ美しいのか」
そんなことを考えさせられる作品だった。
正直、1回読んだだけではまだ理解が乏しいので、
何度も読んでもっとこの作品の意図を知りたいと思う。
最後に、作中で特に印象に残った言葉を引用する。
そなたの一族は、実にころころとよく死んでくれる。少し分が悪くなるとあっけなく自害する。転生もいいが、わたしはそんなものを強さだと断じて認めぬぞ。死ぬのは逃げと同じだ。弱さだ。われわれのように顔をそむけることを望みもせず、許されもしない立場に立ってみろ。
照日王の言葉だ。
「神」ゆえに人とは感覚が違うのだろうが、
一見悪役ともいえる彼女にも、心の葛藤のようなものを感じて憎めないのだ。
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