🎩BLワールド備忘録👾『鬼喰い花』シリーズ💀夜光花🌹

夜光花著
 水名瀬雅良イラスト

『鬼喰い沼』
それは鬼をも喰らう程兇悪な龍が棲むと言う沼。沼に沈んだものは決して浮かぶことはない。
鬼喰い沼を抜けると、一面、まるで血を思わせるほど真っ赤な花が群生していた。そこには蒸せるほどの怪しげな香りが広がっていて、その香りを嗅いだ者はみな正気を失い、狂いだす。
その花の名は、鬼喰い草。
すべての忌まわしい事の始まりはこの花だった。

夜光花先生お得意の怖気おぞけものシリーズ❗️
  過疎化した村の因習にまつわる言い伝えやおぞましい事件の数々❗️
そこに巻き込まれて行く兄弟の物語。
今回のキーワードは兄弟での愛💘

登場人物は三組の兄弟。
まずは、
俳優の尚吾しょうごと異母兄弟の誠。
次に、
尚吾たちの村の隣村にすむ兄弟の泰生たいせいと衛まもる。
最後は、
衛の小説の編集者である将たすくと樹木医である弟の幸司。

どれから読んでもたのしめますが、理想の順番に解説しました‼️

🥀尚吾と誠

①堕ちる花
②姦淫の花
③闇の花

あらすじ

大学生の磯貝誠は、異母兄弟で人気俳優の尚吾とふたり、故郷である四国を離れ、東京で暮らしている。
過保護なくらいに誠を溺愛している尚吾と弟でありながら兄を守りたいと思っている誠。ふたりはまるで恋人にように中の良い兄弟だった。
そんなある日、誠にのもとに幼なじみからハガキが届く。
それがすべての始まりだった…。ずっと押し殺してきた想い。兄弟として越えてはならない一線。故郷に隠された忌まわしい秘密とは…！？

『堕ちる花』より

✨✨✨✨✨✨

唯一無二

俳優としてのキリっとイケメンな尚吾だけど、弟の誠に対する庇護欲は異常なほど。
誠の方も、いい加減嫌気が指さないのかと不思議なほどなのに、そんな兄を突き放すことはない。

幼くして母を失くし、実の父にも心を開けなかった尚吾は生まれてきた弟の小さな命によって優しさを取り戻す。
無邪気にまとわりついてくる弟、誠を唯一無二の存在として守りたいと思う。
が、尚吾はそれがいつしか兄弟としてだけの感情ではないことに気づき、禁忌な想いに悩むことになる。ゆるされないからこそ、抗えないほどの感情に翻弄される尚吾が痛々しい。

一方、誠は幼い頃から尚吾のいちばん近くで過ごしていたため、兄が実はガラスのように脆いことを肌で感じていて、そんな兄を守りたいと切実に思っていた。

お互いを守りたいと思いやっているのになぜかすれ違ってしまう。

キーワードは兄弟

兄弟同士での狂おしい程の愛…。
ワォ❗️萌える🎵

読者としては、早く一線を越えろと、やきもきしてもどかしい。
果たして何がふたりの結界を破るキッカケになるのか？とゾクゾクしながら読みすすめる🎵

それは13年前、故郷の村で起きたおぞましい事件の真相が関わっているらしい💀
夜光先生お得意の怖気おぞけの世界❗️
『鬼喰い沼』に『鬼喰い草』と聞くだけで村に潜む因習がありそう⛩️

尚吾の母の死の真相にも謎が隠されているのだが、尚吾の中に流れる母の血が誠に対する異常な性愛に現れているようで、先々が心配になってしまった😵💧
事件は終わっても、まだまだふたりには穏やかな日は遠いのでは…⁉️

👻泰生と衛

④鬼花異聞
⑤神花異聞

このシリーズのスピンオフとして登場するのは、人ならざる者と戯れることのできる不思議な力を持っている三門泰生みかどたいせいと言う青年と彼の弟の衛まもるの兄弟。彼らは尚吾と誠の故郷の鬼沢村きざわむらの隣に位置する神谷村かみやむらに住む。

あらすじ

四国の神谷村で暮らす三門泰生みかどたいせいには、自慢の弟がいる。ひとつ年下で、東京で会社勤めをしながら、人気のミステリー作家でもある衛まもるだ。山が大好きな泰生は暇さえあれば山に行っていた。けれど、衛は泰生が山へ行くのをよく思っていなかった。
それは過去の体験のせいでもあった。中学生だったふたりは、ある花の匂いのせいで理性を失い、禁じられた行為をしたことがあり…。
衛はそのときから、兄である泰生に劣情を覚えるようになって⁉️

『鬼花異聞』より

   

家族の絆

衛は幼い頃、失踪した兄の泰生が戻って来たとき、再び山の神に連れて行かれないよう自分が兄を守る！と心密かに誓った。現世に戻ってからの泰生は野生児のように天真爛漫で、物事の機微に疎く、危険な人物にもついつい罠にはめられそうになる。だから、衛は何時も兄から目が離せない。

ある時、ふたりは鬼喰い沼の畔で甘い香りを吸ってしまう。鬼喰い草だ。この花の香りを嗅いだ者は正気でなくなる。
彼らが気づいたときには、すでに取り返しのつかないことに…❗️
その日から衛の苦悩がはじまるのだった…❗️

✨✨✨✨
触れたいのに触れられない苦しみに翻弄される衛。まさか自分が近親相姦を犯してしまうなんて。中学生のときのあの忌まわしい過去をなんとか封じ込めたいともがく衛。
一方、物事の常識に疎い泰生は衛のことが大好きだから、そのことがいけないこととは思えなくて衛が望むならと、むしろ積極的に受け入れてしまう。

「相手が兄さんだから駄目なんだろ…。ねぼけていたとはいえ、変なことしてごめん…。」
「えー、俺はぜんぜん気にしないけど？俺が相手じゃ駄目なのか？」
「駄目に決まってるだろ‼️」
びくっとする声で怒鳴られ、泰生は身をすくめた。一喝されて初めて自分が思っているより事態は深刻なのだと気づいた。

『鬼花異聞』p126

泰生にとって衛はこの世で一番大好きな弟だ。なのにどうして触れ合ってはいけないのかが理解できない。ただ、両親や他人には知られると不味いことになるらしいことは肌でかんじることが出来た。

両親は泰生が少しでも社会に適応できるならと衛の住む東京へ行かせてくれた。なのに、ふたりが良からぬ仲になったと知ったらどんなにか悲しむだろう。
泰生にとっては両親も祖父も衛と同じくらい大切なもの、誰ひとりとして手放せないのだ。

とにかく純粋過ぎる泰生が可愛くてヤバイ❤️

山神の子ども

泰生は豊作を願う神事の時には巫女として舞をまう。泰生の舞の出来がその年の村の作物の出来の良さとなる。
泰生は山神の子だから。
泰生は神聖な存在なのだ。

村に住む老若男女すべての人が、泰生を大切に思っているから、悪い虫が一匹でも近づこうものなら只じゃすまないのだ。

だからこそ、衛は自分を戒めなければいけないのだ。が、あることがキッカケでふたりは再び一線を越えることに…⁉️

それを幼なじみの洋平に知れてしまい、衛は何者かに狙われるように…❗️

古い因習と思われたことが、実は周到に作り上げられた村の秘密だったとは…➰😱

村の衆の魔の手が衛に忍び寄る。それを知った泰生がとった行動とは…⁉️

本当の家族の愛が問われる、ファンタジー要素たっぷりの物語。

💀将たすくと幸司

人ならざる者が視える長嶺将ながみねたすくと樹木医をしている幸司兄弟のエピソードを描いた
⑥かくりよの花

あらすじ

編集者の長峰将には弟がいる。ひとつ年下で、樹木医をしている幸司だ。幼い頃、長峰の家に引き取られたふたりは、特別な絆で結ばれていた。
だから、夜、幸司が将にキスや愛撫の戯れを仕掛けてきたときも、将は寝たふりをして、目覚めると何ごともなかったように振る舞った。
幸司もまた、熱い視線を向けながらも、昼は弟として行動した。けれど、赤い花の匂いを嗅いだ夜からすべてが狂い始めて…⁉️

『かくりよの花』より

それぞれの役割

   将は泰生の弟、衛の小説の編集者。東京に遊びに来ていた泰生を見たときから、自分と同じ人ならざる者と会話する泰生に親近感を覚えていた。
泰生が山へこもって出てこられなくなった時には、妖狐のメッセージを受け取り泰生の現世への帰還を手伝った。

そんな将のチカラには邪宗の輩が集まり易く、ひとりでは受け止めきれなくなってあちら側に連れていかれそうになることもしばしばだ。
けれど、不思議と幸司がそばにいるときは邪宗もよってこない。幸司には怪あやかしを遠ざける何かがあるらしい。
樹木医をしているのも、精霊の息吹で守られているからかもしれない。

幸司は将とはひとつ違いだが、血はつながっていない。同じ養護施設にいたところ、霊能者の義母に一緒に引き取られたのだ。母はふたりの持つ特別な能力を見抜いていて、「将が怖いときは手を繋いであげてね」と幸司に言うのだった。
幸司は幼いながらも将を守ることが、自分の役割と思ってきた。と同時に、将の手を繋ぐと特別になれたような気がしてうれしかった。

出生の秘密

 泰生の村の御神木が病気で、幸司が診察に行くことになったのがキッカケで、幸司が密かに探っていた生みの親が実は鬼沢村出身だと判明。
将の心配をよそに幸司が赤い花の種を植えてしまい…。彼らの身に忍び寄る鬼喰い草の謎。
一見、何の関わりもないはずのこのふたりにいったいどんな過去があつたのか？
幸司の両親は誰？
さらにはこの最終章で、尚吾たちの忌まわしい事件が再び浮上することに…⁉️

最後のどんでん返しですべてが繋がります‼️

読んでね❤️