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君たちはどう生きるかを見た私たち親子はどう受け止めたのか
ふと思いたち、公開されたばかりのスタジオジブリ「君たちはどう生きるか」を子どもと一緒に見に行ってきた。
特にアニメファンとは言えない昭和世代の私。
しかし、そんな私でも子どものころから見なかった作品はないといえるほど、身近に感じるアニメである。
子どもももちろん、小さいころから地上波やDVDなどでたくさんの作品に触れてきた。
今回の作品は予告編はおろか、事前情報が全くと言ってもいいほどなく、プロモーションというものがほとんどなされない映画である。
鑑賞してから知ったが、パンフレットやキャラクターグッズの類も全くなかった。
※パンフレットは後日発売予定らしい。
私たちはたまたま音声配信を聞いて、見に行くことにしたのだが、その音声配信がなかったら、この映画を見に行くことはなかっただろう。
また、その音声配信のタイミングも今にして思えば不思議なタイミングで、夫が出かけて自宅を不在にしていて、なおかつ別件で子どもと二人で出かける用事があったという偶然が重なった時だった。
家族が全員そろった状態で、外出の予定もなければ、この作品を見に行こうという流れにはならなかったと今にして思う。
ちょっとした要因から生まれた気まぐれで、ともかく当日鑑賞可能な上映回を移動中に予約し、子どもと二人劇場に入った。
どこまでが現実世界か、どこからが夢なのか境界線が非常にあいまいな世界。
作品中には私がこれまでよく知っている過去作品のエッセンスがたっぷりと。
禁断の果実を食べてしまったアダムとイヴからこっち、やはり禁忌を破ったほころびから急激に変化する世界。
いくつものパラレルワールド。
美しいものを求めながら、現実には奪い合い傷つけあうしかできない人間の性。
生まれ行くもの命を閉じるもの。その瞬間。
見たことはなかったけど、そこには私がよく知っているジブリの世界が広がり詰まった作品だった。
見終わった後、子どもに意味がわかったか尋ねてみると「わかった」とのこと。
時間軸がいくつもあり、前後の話がつながっていないなど、子どもにはなかなかわかりにくい内容かと思ったけれど。
主人公の少年の年に子どもが近いからかもしれない。
思春期の入り口に立ち、幼いという言葉からは距離ができても、大人というにはまだまだ浅すぎる微妙な年齢の少年少女の内面には何か響くものがあるのかもしれない。
多くの言葉を紡がなくても、表情や空気感から伝わるものを大人よりも子どものほうが確かに感じられるのではないだろうか。