誕生日コンプレックス
また誕生日が過ぎてしまった
今年は誰とも会わなかったから
「おめでとう」を一つも貰えなかった
そもそも何がめでたいのだ
生まれたくて生まれた人などいないはずなのに
なんて考え出してしまう幼児性がまた
重ねた年齢にそぐわぬ暴走を始める
何も成してはいなくとも確かに年老いていく
「まだ若いじゃないですか」と若い子が言う
できれば俺だってずっとそのままでいたかったよ
なんだかんだ言っても世間は年相応を強いてくる
「あそこの息子さん、あの年で定職にも就かずにぶらぶらしているんだって」
それでもあの頃は許してくれたじゃないかよ
迷子になって助けてもらえるのは子のうちだけか
だから誕生日は嫌になっちまうぜ
あんたらと同じ大人になんてなりたくなかった
いずれ社会に殺されるまでのカウントダウンみたいだ
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