うちの妻が心配してた「鼻ほじりと認知症」のウワサ、調べてみたら…
妻の一言から始まった疑問
ある日の晩餐時、妻から唐突に「鼻をほじりすぎると認知症になるって聞いたんだけど、本当?」と質問された。ドキッとした読者もいるのではないだろうか。私もその一人であった。幼い頃から「鼻をほじると鼻の穴が大きくなる」とか「血が出る」などと注意された記憶はあるが、まさか認知症と関連があるとは考えも及ばなかった。
気になる真相:関連性は否定できない事実
慌てて調査を開始した結果、全く根拠のない話ではないことが判明した。
重要なポイントは以下の通りである。
鼻粘膜の損傷と細菌侵入: 鼻をほじる行為は鼻粘膜を傷つけ、細菌の侵入口を容易にする。近年の研究では、鼻腔から侵入した細菌が脳に到達し、アルツハイマー型認知症の原因とされるアミロイドβタンパク質の蓄積を促進する可能性が示唆されているらしい。これは重要な発見である。
嗅覚障害と認知症の密接な関係: 鼻炎などによる嗅覚障害は、認知症リスクを高めるという研究結果が複数存在する。鼻をほじることで鼻炎が悪化したり、嗅覚に悪影響を及ぼしたりする可能性は否定できない。嗅覚は脳の原始的な感覚であり、嗅覚障害は認知症の初期症状として現れる場合があるため、注意が必要である。
つまり、鼻をほじること自体が直接的に認知症を引き起こすわけではない。しかし、鼻粘膜を傷つけることで細菌感染のリスクを高め、結果として認知症リスクを増大させる可能性があるというわけだ。これは看過できない事実である。
日常生活で実践すべきこと
では、日常生活においてどのような対策を講じるべきだろうか。以下に具体的な方法を提示する。
鼻をほじる行為の徹底的な抑制: 言うまでもないが、これが最も重要である。鼻に違和感がある場合は、綿棒などで優しくケアすることを推奨する。
鼻粘膜の乾燥を防ぐ: 鼻粘膜が乾燥すると、痒みを感じて鼻をほじりたくなる。加湿器の使用や保湿クリームの塗布など、鼻粘膜を乾燥から守る工夫が必要である。
鼻の不調は速やかに耳鼻科へ: 鼻炎や副鼻腔炎など、鼻の不調が続く場合は、速やかに耳鼻科を受診することを強く勧める。早期発見・早期治療が重要である。
生活習慣の見直しは必須: 認知症予防には、バランスの取れた食生活、適度な運動、質の高い睡眠、そして知的活動など、生活習慣全般の見直しが不可欠である。
結論:過度な心配は無用、しかし注意は怠るな
今回の調査により、鼻をほじりすぎると認知症になるという命題は、直接的な因果関係があるとは断言できないものの、複数の要因が複雑に絡み合っている可能性が浮き彫りになった。妻の素朴な疑問から始まったこの探求が、読者の健康に少しでも貢献できれば幸いである。過度に心配する必要はない。
しかし、鼻粘膜を傷つけないよう注意し気になる症状があれば躊躇なく医師に相談すべきである。