アメリカの大学入試制度
言わずと知れた日本のセンター試験制度。新制度への移行も注目されています。(というか、このままどうすんねん)
アメリカはどうかというと、もちろん統一試験はありません。アメリカで大学に進学するときに必要なものは主にこの三点セット。
①推薦状
②志望動機(エッセイ)
③SAT(またはACT)のスコア
SAT(Scholastic Aptitude Test)かACT(American College Testing)かはどちらでも大差は無いようですが、州によって採用しているのが違う場合もあるようです。私が勤務していた学校はSATを生徒に受けさせていました。
日本のセンター試験との主な違いは以下の通り。受験のチャンスが多いことは明らかです。
アメリカSAT
受験回数:年7回
対象生徒:高校2年生、3年生
受験科目:2科目(Math/English)
受検料 :64.50ドル(エッセイ込み)
試験会場:各高校または指定会場
日本センター試験
受験回数:年1回
対象生徒:高校3年生
受験科目:7科目(平均)
受検料 :18,000円(3科目以上)
試験会場:指定会場
コロナショックを受け、アメリカではSATの受験を2021年度においては必須としない大学も出てきているようです。こういう点アメリカは本当に柔軟ですよね。
もちろん、上記の三点セット以外にも学業が大切なのは変わりありません。むしろ、アメリカの方が学校の成績に重点が置かれています。一発勝負のセンター試験における比重が大きい日本と比べ、アメリカでは学校の成績(評定平均など)が重要視されているそうです。そのため、生徒はしっかりと授業に取り組みます。授業を聞かずにセンター試験の勉強をする生徒はいません。日々の授業を大切にすることが自分の進学に影響すると分かっているのです。教師の裁量が日本より大きくなる理由がここにもあります。
アメリカの大学入試に関しては、ハーバード大学が人種差別をしていると話題になりました。アジア人は成績が良いことが多いので、多様性を保つために、アジア人の合格枠を少なくして白人や他の人種の受験者を合格させたというのです。
選択肢はあっても一筋縄ではいかないアメリカの大学入試。また、入学するのが難しい日本の大学と比べて、アメリカは卒業するのが難しいと言われています。大学と高校の役割が日本とアメリカでは真逆。しかし、入ってからも専攻を変ることができるなど選択肢の多さはやはり魅力です。
日本の大学入試制度改革も、このコロナ騒動で一筋縄では行かなさそうですねー。とほほ。