ベテランズ・デー
11月11日はアメリカでは服役軍人の日。Veteran's Dayと呼ばれれいます。アメリカの勤務校でもこの日は大きな全校集会がありました。
ちなみに、アメリカの学校集会は開催される時間にもよりますが、自由参加?ではないかと私は思っています。一応、参加することにはなっていますが、ホームルームがないので、生徒の出席を確認するすべがないのです。もちろん、来ない生徒や、車でそのまま帰宅してしまう生徒もいます。
日本ならソッコー保護者連絡の生徒指導ものですよね。
さて、そんな自由な雰囲気のアメリカの学年集会でも異色だったのが、このベテランズ・デーの集会。いつもの賑やかな雰囲気とはうって変わって厳粛な雰囲気。日本では当たり前の「私語をしていると注意している先生の姿」がなんと新鮮なことかっ!今日は服役軍人に対して敬意を払う日!という意気込みと、静かにすること=リスペクトという構図がなんだかはっきりと見えました。
ベテランズ・デーの式典ではみんなから見える場所にテーブルが用意されていました。これはA Missing Man Table Ceremoney(亡くなった軍人を称えるためのテーブル)と呼ばれ置かれているもの全てに意味があります。
丸テーブルは終わることのない彼らへの思いを、
白いテーブルクロスは国の要請があればいつでも出向いていく軍人の純白の心を
赤いバラは彼らの命を、
レモンは彼らの苦い経験を、
ロウソクは消えることのない希望を、
表しています。
誰も座っていない椅子はここに来ることができなかった軍人のために、逆さまにおかれわワイングラスは祝うことがかなわなかった人を忘れないためにおかれています。
そしてJROTCの生徒が星条旗を持って入場し、決められたたたみ方で綺麗にたたむセレモニーを綺麗に隊列を組んで行います。星条旗に正しいたたみかたがあるということも初めて知りました。確か7ステップ。
ちなみにJROTCとは米軍がサポートする高校の授業のことで、詳しくは以下に書いています。
残りの式典は、学校関係者で退役軍人の方のインタビュー動画やアメリカのために戦った日系アメリカ人についての動画を見て終わりました。とにかく、この式典のメッセージは
米軍のおかげで私たちや世界の人々の平和な生活が守られているのだ!感謝しよう!
というものでした。
これに違和感感じたのは私だけでしょうか....。
もちろん、個人的な意見としては尊重します。しかし、これを学校行事としてやってしまうアメリカの公立学校、すごい。
見渡してみると、意外に自分が服役軍人だったとか、親戚がそうだとか、生徒でも将来は海軍に入りますと明言していたりとか、校内に軍のリクルーターが制服着ていたりとか・・・、米軍の存在が学校生活や日常生活において遠い存在ではないとは感じます。
勤務校の女性の校長先生ご自身も、そしてその娘さんも空軍に入られていたそうで、警備の黒人の男性やその他の先生方も複数が経験者でした。それ以外にも生徒に聞いてみると親戚がそうだとか、出るわ出るわ。陸軍、海軍、空軍と色々ありますが、いずれかに所属することはそんなに特別なことでもないようでした。
実際に、服役するとその分ベネフィットがあったり、特に経済状況が厳しい生徒にとっては選択肢として可能性の大きな分野でもあるでしょう。
しかし、学校という場で軍の仕事を賞賛している姿に、「いやー、これじゃあ世界から戦争は亡くならんわ」と思ったのでありました。「学校で軍人を称える違和感」に続きます。
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