『社会人に必要な会計のスキル』
“権力とは財布を握っていることだ”
-アレクサンダー・ハミルトン
読書感想文『帳簿の世界史』
“権力とは財布を握っていることだ”
そう語ったのは、
アメリカ独立戦争ではワシントンの副官として活躍し
後には合衆国憲法も起草した軍人、思想家のアレクサンダー・ハミルトンでした。
これはいまにも通じることで、家計の財布を握っている奥様しかり
国家の財布を握っている財務省しかりではないでしょうか。
権力とは言わないまでも、社会人として影響力・付加価値・生活の質
などを高めたいという人にとっても、会計は素晴らしいツールになります。
本書を読んで気づいたのは、
“”会計が一国や一企業にしっかりと根付いている時は繁栄し
反対に会計が不正・無視されている時は衰退する””
という原理原則が存在することです。
主題の通り、本書では世界史の様々な事象を会計という切り口で仔細に述べられています。
古くはバビロンのハンムラビ法典から、現代のリーマンショックまで
会計が果たす責任(accoutabilitty)を果たすことの重要性と同時に、
それを果たすことの困難さもまざまざと感じることができます。
特に印象に残っているのは、中世のイタリア商人が抱えていた葛藤と
ルイ14世の物語でした。
現在ではお金を稼ぐことに罪悪感を感じる人というのは少ないと思います。
しかし、複式簿記が発明された当初は状況が変わっていました。
教会法で金貸業が禁止されていた14世紀イタリアにおいて、
商人と銀行家は罪の意識に苛まれていました。
教会への寄進を多く行ったのが商人であったというのも、
偶然ではありませんでした。
それ以前においては利息をとることすら禁止されており利息は、
嘘・暴力・強盗とみなされていたので彼らが罪悪感を感じるのもわかります。
あと、太陽王と言われブルボン朝最盛期を象徴とするルイ14世が
初めは会計に興味を示し、財務総監のコルベールから王国の収支についての帳簿も見ていたとしり驚きました。
他人の財産の管理・運営を委託されたものがその結果を報告し
委託者の承認を受ける会計責任の原則が始まった瞬間だったと言えるからです。
しかし、コルベールの死後この素晴らしい慣行がなくなってしまったのは
悲しいことでした。
相次ぐ戦争と宮殿の建築費用で赤字続きだった収支を見るのが嫌になったのでしょうか。
ここでも良き会計慣行を続けることの大変さが見て取れます。
最後まで読んでいただきありがとうございました!
今日もお仕事頑張っていきましょうーーーー♪( ´▽`)
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