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雑記

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考えたことについて雑に記していきます。
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#エッセイ

入門できすぎるという不幸

ここ最近安定感を欠いているせいか、今まで見る向きもしなかった方面の物事に突発的に関心を傾けることが多くなっていて、たとえば昨日であればマーラーを聴く機運が眠りにつく一時間ほど前に俄かに高まった。日中仕事をしているときには、今日の夜クラシック音楽が聴きたくなることなどまるで予想がつかなかった。そうと決まれば早速、といってまず私が取る行動は、「マーラー 入門」というワードを右手に掴んだスマートフォンの

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義務的に無邪気

もっと無邪気にならなければならない。できることなら自然に無邪気になりたいけれども、それは状況に応じた(状況に応じていないという仕方で応じている場合も含めて)特定の態度を武装することがすっかり癖になっている私にとっては、どうやらすっかり難儀なことになっているらしい。意図的に、ほとんどそれが義務であるかのように無邪気になって、その上でその無邪気さを拵えたという事実を都合よく忘れてしまわなければならない

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自身にのみ向けられた指針

二〇一七年の十二月、池袋の居酒屋にて会社の同期に同人誌でも作ろうではないかと誘われて小説を書き始めてからちょうど二年が経ち、二〇一九年の十二月に五本目の中編小説を拵えた。いわば今の私は、「切りがいい」とか「一段落」とか、要は単なる数字上のことでしかないのであるから取るに足らないようなものに思えるけれども、人間である以上何らかの意味を見出したくなる、何らかの総括めいたものをしたくなるのが人情、という

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文学フリマ東京に出展します【ノ-47】

文学フリマ東京に出展します【ノ-47】

突然かつ遅まきながらの宣伝になりますが、来る11/24(日)、東京流通センターというやたら無機質な名称の空間で開催される、とても温かみのある催しであるところの文学フリマ東京に出展します。

・サークル名:M.I.T.日本文学部
・ブース:ノ-47

今回が三回目の出展です。
【猫背】という文芸誌的なものの第三号を発刊します。増税の煽りを受けることなく、お値段据置き500円です。「的なもの」という言

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それでも無印良品を選び続けるということ

それでも無印良品を選び続けるということ

【考える人】なる新潮社のWebメディアに載っていた西荻窪の雑貨屋の店主による無印良品に関する論考エッセイを読んでそれがめちゃくちゃに面白かった、面白かったというか、自分が無印良品を購入に至る理由について、あるいは部屋の中にある机だか椅子だかベッドだかを「無印で買った」と誰かに説明する時に抱く得体の知れない気恥ずかしさについて、普段ぼんやりと、とりわけ言語化することなく考えている旨を見透かされている

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