すみれいろのめをしたねこ
テムズに向かってゆるやかに傾斜する裏庭
キッチンドアから出ていく君のしっぽ
パンパスグラスの根元から
しっぽ と 穂
どちらもふさふさ立ち上がって
左右に揺れている
日向の君のあくびは
幸先のいい1日の約束
「駅からの橋の上で
カモメがホバリングしながら
片足で頭をかいていたの
私の頭のすぐ上で!
本当だよ!」
私がキッチンテーブルから
身を乗り出して
一日の報告をしている間
君は
上からぱらぱら降ってくる粉を
黒と白の毛皮につけて
君と同じ色のタイルの上を
行ったり来たり