その飼育場の名は 資本主義
ある飼育施設
その中で、繁殖している生き物をみせてもらった
そこには、生きるために、水と食料が与えられ
平等に分配すれば、みんな飢えることもなく
生きていくに、十分な質と量が与えられていた
それなのに、もっともっと、更にさらにと
相手の分まで奪おうと、食べ物を争って奪い合っている
生死をかけて戦っている
ひとにぎりの強いものが、賢いものが
自分では食べきれないほどの食料を抱えこんでいる
食うために、自分の子孫を残すために
騙したり、欺いたり、虐めたり
分かち合おうなどと考えることもなく
飢え死にしそうな生き物が
飼育場の隅の、掃きだめのようなところに、いくつも転がっていようとも
抱え込んだ食べ物を、与えようなどという衝動などおこりようもなく
勝ったものだけが正義
強い者たちの言い分だけがまかり通る
負けたもの、虐げられたもの、泣くもの、心優しきもの、正直なもの
さっさと消え失せろ ここに生き残る場所はない
それが、この飼育場の絶対的な規則だと、言わんばかりに
「資本主義」という名の飼育場だった
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?