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【詩】血と飴玉と男と女

血液が沸騰して外へ向かおうとする機構が作
動すると、人間は男になる。
チュッパチャプスみたいなことばで顔が溶け
ると、人間は女になる。
「蓋を開けて」と頼まれると、人間は男にな
る。
flying tigerに入るとき、人間は男になる。
flying tigerのペンケースを見ているとき、人間は
女になる。
誰かの手が置かれた肩がチリチリと発火しは
じめて、ビリビリと痺れに変わっていくと、
人間は人間のままでいられる。
ぼくは人間でいたいのだけれど、
血を泪よりも熱くさせる肉体と、酒よりも飴
玉を選んでしまうこころと、ランドセルの頃
から引かれていた線によって、半分は認めて
もらえない。
血と飴玉と男と女。
全部を輪ゴムで束ねていたっていいじゃない
か。

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