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【詩】星母子

母は一人で私を育ててくれた、
その感謝はあるのです。
しかしそれゆえの孤独もあったのです。
「感謝しかない」と生きるべきなのかもしれ
ませんが
そうしてしまうと幼い自分を見捨ててしまう
ようで
まだできそうにありません。
 
自然の中から手繰り出した彫刻刀によって
惑星の表面には大規模共同住宅だけが残る。
黄ばんだ橙色のライトがつくりだす
規則的な星空の下に二人だけがいる。
他人とも、寄り添いあっているとも言えない
最も衛星が近付いた時のような距離で
二人は共存している。

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