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【ブックガイド】阪神・淡路大震災から30年。今日こそ読みたい神戸から始まる物語。

本日2025年1月17日、阪神・淡路大震災の発生から丸30年を迎えます。
この30年、社会はさまざまに変化し、神戸の街も復興とともに大きく変わりました。
けれど、山と海のはざまで人々を見守り続けて来た神戸の街は、いつだってかわらず物語のきっかけになってきました。
今回は、そんな神戸からはじまる物語を、6作品ご紹介します。
居場所をなくした青年の再起の物語や、阪神・淡路大震災で家族を失った主人公が築く新たな絆の物語も。
そして、読み終わったらぜひあなただけの物語を探しに神戸に行ってみてください。きっと、震災前も後も変わらない、人々の絆がそこにあるはず。



神戸から始まる6つの物語。

■ 商品誕生に秘められたドラマ、新入社員の由寿の奮闘が始まる!

『令和ブルガリアヨーグルト』宮木あや子(KADOKAWA)

吾輩は乳酸菌である。名前はブルガリア菌20388株。
学生時代に読んだネット投稿小説がきっかけでブルガリア菌が「推し」となった朋太子由寿(ほうだいし・ゆず)の日々を温かく見守っている。
「株式会社 明和」に就職した由寿は、配属となった大阪支店量販部で、阪神・淡路大震災のときに活躍した「おでん先輩」のエピソードを聞き感銘を受ける。
入社して一年後、広報部で由寿は社内報の制作を担当することになり、「明和ブルガリアヨーグルト五十周年」特集のために関係社員にインタビュー取材を行ってゆくのだが……。
 
協力=株式会社 明治/装画=まめふく/装丁=名久井直子

KADOKAWAオフィシャルサイトより引用

■ 被災地の現実、日本のエネルギー問題、政治的な混乱。小学校を舞台に震災が浮き上がらせた日本の問題点。その混乱から未来へと向かっていく希望を描いた連作短編集。

『そして、星の輝く夜がくる』真山仁(祥伝社文庫)

2011年、東日本大震災被災地にある遠間第一小学校に、自身も阪神淡路大震災での被災経験がある小野寺徹平が、神戸から応援教師として赴任した。
東北の子供には耳慣れない関西弁で話す小野寺。生徒たちとの交流の中で、被災地の抱える問題、現実と向かい合っていく。
被災地の子供が心の奥に抱える苦しみと向かい合う「わがんね新聞」、福島原子力発電所に勤める父親を持つ転校生を描いた「“ゲンパツ”が来た!」、学校からの避難の最中に教え子を亡くした教師の苦悩と語られなかった真実を描いた「さくら」、ボランティアと地元の人たちとの軋轢を描く「小さな親切、大きな……」、小野寺自身の背景でもある阪神淡路大震災を描いた「忘れないで」。そして、震災をどう記憶にとどめるのか?遠間第一小学校の卒業制作を題材にした「てんでんこ」の6篇を収録。

祥伝社オフィシャルサイトより引用

■ 恋の坂道、登っとう。今日も元気に歩いとう。

『あるいとう』ななじ眺(マーガレットコミックスDIGITAL)

(C)ななじ眺/集英社

阪神・淡路大震災で母を失った主人公くこは、キツイ坂道もかけぬける「アニマル」な少女。
海の見える坂の上の街・神戸市北野町を舞台に、くこと3人の男の子達の物語がはじまる。

集英社オフィシャルサイトより引用

■ おまえは俺を殺した。俺の魂を殺した――

『幻夜』 東野圭吾(集英社文庫)

1995年、阪神淡路大震災。その混乱のまっただ中で、衝動的に殺人を犯してしまった男。
それを目撃していた女。二人は手を組み、東京に出ていく。女は、野心を実現するためには手段を選ばない。男は、女を深く愛するがゆえに、彼女の指示のまま、悪事に手を染めていく。やがて成功を極めた女の、思いもかけない真の姿が浮かびあがってくる。彼女はいったい何者なのか――謎が謎を呼び、伏線に伏線が絡む。
驚愕のラストシーンまで一気呵成の読みごたえ。ミステリーの醍醐味にあふれた傑作大長編。

集英社オフィシャルサイトより引用

■ 1995年1月、阪神大震災。そして、1995年2月、人々のかかえる内なる廃墟が、しずかに共振を始める――。

『神の子どもたちはみな踊る』村上春樹(新潮文庫)

1995年1月、地震はすべてを一瞬のうちに壊滅させた。そして2月、流木が燃える冬の海岸で、あるいは、小箱を携えた男が向かった釧路で、かえるくんが地底でみみずくんと闘う東京で、世界はしずかに共振をはじめる……。
大地は裂けた。神は、いないのかもしれない。でも、おそらく、あの震災のずっと前から、ぼくたちは内なる廃墟を抱えていた――。深い闇の中に光を放つ6つの黙示録。

新潮社オフィシャルサイトより引用

■ 世にも不思議な常連客がいる真夜中の定食屋、開店!

『最後の晩ごはん ふるさととだし巻き卵』 椹野道流(角川文庫)

若手イケメン俳優の五十嵐海里は、ねつ造スキャンダルで活動休止に追い込まれてしまう。
全てを失い、郷里の神戸に戻るが、家族の助けも借りられず……行くあてもなく絶望する中、彼は定食屋の夏神留二に拾われる。
夏神の定食屋「ばんめし屋」は、夜に閉店し、始発が走る頃に閉店する不思議な店。
そこで働くことになった海里だが、とんでもない客が現れて……。
幽霊すらも常連客!? 美味しく切なくほっこりと、「ばんめし屋」開店!

KADOKAWAオフィシャルサイトより引用


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