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【作品情報まとめ】荻堂 顕『飽くなき地景』

作家・荻堂 顕さんによる長編小説『飽くなき地景』。
著者の4作目にして、第172回直木賞にノミネートされた本作の関連情報をご紹介します!


■ あらすじ


第172回直木賞候補作!
一振りの刀が巻き起こす美と血のノワール


土地開発と不動産事業で成り上がった昭和の旧華族、烏丸家。その嫡男として生まれた治道は、多数のビルを建て、東京の景観を変えていく家業に興味が持てず、祖父の誠一郎が所有する宝刀、一族の守り神でもある粟田口久国の「無銘」の美しさに幼いころから魅せられていた。家に伝わる宝を守り、文化に関わる仕事をしたいと志す治道だったが、祖父の死後、事業を推し進める父・道隆により、「無銘」が渋谷を根城にする愚連隊の手に渡ってしまう。治道は刀を取り戻すため、ある無謀な計画を実行に移すのだが……。やがて、オリンピック、高度経済成長と時代が進み、東京の景色が変貌するなか、その裏側で「無銘」にまつわる事件が巻き起こる。刀に隠された一族の秘密と愛憎を描く美と血のノワール。第172回直木賞候補作。

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インタビュー

書評

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■ 書店員さんの感想をご紹介!

生まれながらにしてその人生を決められてしまっている主人公。しかしその数奇な運命から
もがきながらも必死に生き抜く姿勢は、現代に最も必要とされている自分らしさなのかもしれない。

BOOKSえみたす大口店 近藤さん

昭和の旧華族、烏丸家の宝刀であり守り刀である「無銘」
その一振りの刀により、激動の運命が引き起こされていく。
兄弟同士の複雑な軋轢。父と愚連隊の闇深い因果関係。
一族事業広告塔の思わぬ消失。家族の堕落と崩壊。

一瞬も気を抜けない怒涛の展開に、
激震が走る波に呑み込まれていくようでした。

そして、明かされる刀の秘密。
その真実を目の当たりにして、
「信じる」という事が、大きく揺らいでいくようでした。
また、人間は信じるものがあるからこそ、生きていける。
そんな言葉が浮かび上がり、静かに耳元でささやかれるようでした。

変わりゆく時代と共に、強い情念が受け継がれていく宿命の物語。
そして、諸刃の剣のような人間の深層心理に迫った、ノワール小説。

読み終えた後、
幻想の呪詛から解き放たれていくような清閑な余韻に包まれています。

荻堂先生の世界観が大好きで、いつも作品を楽しみにしております。
本作も、人間の濃く深い業が描かれた物語に、魅了されました。

紀伊國屋書店福岡本店 宗岡敦子さん

どうしても手放したくないものは何か。
地位か名誉か愛情か。
生まれた時から賽は投げられ、彼の本心は何処までいけば叶うのか。
家宝の刀に魅了され翻弄されながらも男の美学を感じました。

未来屋書店入間店 佐々木さん

古いと新しいものの狭間
時代の流れとともに変わっていくもの
それでも変わらない人の中の美しさを
教えてくれる

Booksジュピター 林 貴史さん

■ 書誌情報

書名:飽くなき地景
著者:荻堂 顕
発売日:2024年10月02日
ISBNコード:9784041150672
定価:2,145円(本体1,950円+税)
ページ数:384ページ
判型:四六判
発行:KADOKAWA

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■ 著者プロフィール

荻堂 顕(おぎどう・あきら)
1994年3月25日生まれ。東京都世田谷区成城出身。早稲田大学文化構想学部卒業後、様々な職業を経験する傍ら執筆活動を続ける。2020年、「擬傷の鳥はつかまらない」で第7回新潮ミステリー大賞を受賞。2021年1月、新潮社から同作を刊行し、デビュー。

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