いきなり個人的な話で恐縮ですが、数年おきに「自分に飽きる」という現象がやってまいります。
何に飽きるって、自分の中身に飽きる。好き嫌い、得意なもの苦手なもの、推したり推さなかったり、こだわったりこだわらなかったり――そういう長年の性分と執着と方向性を全部海に流して、いちから始めたい、と思うじゃないですか(え、思わない?)。当然、できやしないんだけど。
こういうモヤっとした「変わりたい季節」には、未知のジャンルに挑むのがいちばんです。映画でも音楽でも、もちろん読書でも。
UGC、中でもカクヨムには、それ自体が新しいひとつのジャンルであるような作品がひしめいています。自分の中身をリニューアルしたい、エンタメとの付き合い方を考え直してみたいとき、こんな小説たちが、あなたを未知の楽しい場所へ連れていってくれるかもしれません。
加藤よしき『たとえ軽トラが突っ込んでも僕たちは恋をやめない』
Xで万バズした「軽トラおじさん」が小説に!不条理と哀愁の短編集
草森ゆき『不能共』
目の前で彼女に死なれた男×その彼女の旦那だった男。二人の「不能」の行末
八方鈴斗『Re:Re:Re:Re:ホラー小説のプロット案』(2024年12月25日発売)
読むと呪われ取り憑かれる作品。だってこれは「本物の怪異」なのです。
獅子吼れお『Q eND A』
このクイズに負けたら、僕は死ぬ――。
八潮久道『生命活動として極めて正常』
僕らは「ありえない」世界に迷い込んだ。七人の数奇な運命を描くSF短編集
虹乃ノラン『そのハミングは7』
視力を失った少年は、不思議な「ならず者」と出会い、そして……