見出し画像

【ブックガイド】未知の面白さに出会いたい カクヨム×文芸、最前線の6冊

いきなり個人的な話で恐縮ですが、数年おきに「自分に飽きる」という現象がやってまいります。
何に飽きるって、自分の中身に飽きる。好き嫌い、得意なもの苦手なもの、推したり推さなかったり、こだわったりこだわらなかったり――そういう長年の性分と執着と方向性を全部海に流して、いちから始めたい、と思うじゃないですか(え、思わない?)。当然、できやしないんだけど。
こういうモヤっとした「変わりたい季節」には、未知のジャンルに挑むのがいちばんです。映画でも音楽でも、もちろん読書でも。
UGC、中でもカクヨムには、それ自体が新しいひとつのジャンルであるような作品がひしめいています。自分の中身をリニューアルしたい、エンタメとの付き合い方を考え直してみたいとき、こんな小説たちが、あなたを未知の楽しい場所へ連れていってくれるかもしれません。



加藤よしき『たとえ軽トラが突っ込んでも僕たちは恋をやめない』

Xで万バズした「軽トラおじさん」が小説に!不条理と哀愁の短編集

たとえば愛し合うカップルがいたとする。二人には何か問題があって、悩み、すれ違いながら、それでも答えを出そうとする。その結果が「幸せ」でも「別れ」でも。そんな二人の元に軽トラが唐突に突っ込んでくる短編集。

KADOKAWAオフィシャルサイトより引用

草森ゆき『不能共』

目の前で彼女に死なれた男×その彼女の旦那だった男。二人の「不能」の行末

「貴方のことが大嫌いなんですよ」
目の前で彼女に死なれた男×その彼女の旦那だった男
ふたりの「不能」な男が、最悪の関係性から、かけがえのない存在になる。
愛憎入り乱れ修羅場系&感動BL!!

交際していた恋人・加奈子が既婚者と知った朝陽大輝。
関係を清算しようとしたが、加奈子は朝陽の目の前で自死してしまう。
葬儀後、加奈子の夫・清瀬隆が朝陽の家を訪れる。二人の関係を知っており、「貴方しか加奈子の話が出来る相手がいない」と言い張り、なぜか日々料理を提供する。
清瀬に嫌悪感を抱き彼の作る食事も拒否する朝陽だったが、自分に執着する彼と接するうち、新たに複雑な感情が生まれていく。
ある時、嗜虐心の赴くままに清瀬と接した朝陽は、彼が「不能」であること、その背景にある加奈子との凄絶な関係性を知り――。

KADOKAWAオフィシャルサイトより引用

八方鈴斗『Re:Re:Re:Re:ホラー小説のプロット案』(2024年12月25日発売)

読むと呪われ取り憑かれる作品。だってこれは「本物の怪異」なのです。

次回作に苦戦している小説家の「私」は、新作のネタを探しているうちに、
出版業界に伝わる「禁忌題目」に触れてしまう。
それこそが恐怖の始まりだった……。

第9回カクヨムWeb小説コンテスト ホラー部門大賞 大賞受賞作

KADOKAWAオフィシャルサイトより引用

獅子吼れお『Q eND A』

このクイズに負けたら、僕は死ぬ――。

早押しクイズに負けた時、他の参加者に異能力を指摘された時、自分は死ぬ――。高校生のAこと芦田叡は、気づくとデスゲームに巻き込まれていた。参加者にはそれぞれ異能力が与えられており、Aは自分の異能力がクイズの答えがわかる最上位能力、アンサーだと察する。周りにバレないよう知恵を絞るAの前に、Qというクイズ王が立ちはだかる。Aはこの死の地から生還することができるのか? ハラハラの新感覚デスゲーム小説!

KADOKAWAオフィシャルサイトより引用

八潮久道『生命活動として極めて正常』

僕らは「ありえない」世界に迷い込んだ。七人の数奇な運命を描くSF短編集

僕らは「ありえない」世界に迷い込んだ。 七人の数奇な運命を描いたSF短編集!
男ばかりの老人ホームで姫として君臨するおじいさんが、全然なびかないおじいさんを落とそうとする「老ホの姫」、社員の殺害が制度として組み込まれている会社を描いた「生命活動として極めて正常」、客を評価するシステムが普及した社会で、レートが急にゼロになり日常生活が奪われる「バズーカ・セルミラ・ジャクショ」、電車に飛び込む人が見えてしまう運転士の書き下ろし「命はダイヤより重い」他、全7編。

KADOKAWAオフィシャルサイトより引用

虹乃ノラン『そのハミングは7』

視力を失った少年は、不思議な「ならず者」と出会い、そして……

1992年8月、9歳の少年トビーは家族旅行中のフロリダでハリケーンに遭い、視力を失った。両親は変わらぬ愛情を持って接するが、トビーの心は傷ついて孤独のまま。彼にとって、父が与えてくれた仔犬のハミングだけが友達だった。ある夏の日、ハミングとの散歩中に近所の森で古い鍵を拾う。持ち主はジャン・グッドスピード。酒に煙草にギター、見透かしたような会話。絵に描いたような「無法者」のジャンは、目の見えないトビーのことも健常者と同じように(乱暴に)扱った。はじめは不信感を覚えながらも、だんだん距離を縮めていくふたり。やがて、トビーはジャンと訪れた隣町エクバタナでウエイトレスのサラに出会い、惹かれていく。少しずつ立ち直っていくトビー。けれども、ジャンには、誰にも触れることのできない秘密があって……。ラストは感涙必至、ひと夏の少年の体験と成長を描くエモーショナル青春ファンタジー。

KADOKAWAオフィシャルサイトより引用


いいなと思ったら応援しよう!