【ロンドン旅行記♯01】ホテルだと思っていたら、人の家だった。住人ジェニーとの三日間(その1)
この夏に行った夫婦二人の7日間のイギリス旅行。
後にスペインに移動し8日間ほど旅行するので、合計2週間の長期間の旅行。
旅行中に起きたアクシデントや日本との違いに触れながら綴っていきたい。
ちなみに僕は10年前にイギリスボーンマスに1年間ホームステイしたことがある。その後2年に一度程度イギリス旅行をしているので、なんとなくの土地勘はあると自負している。妻と一緒に行くイギリスは初めてで、また違った体験ができると楽しみにしていた。
滞在する宿泊先は全て「booking.com」で予約をしていた。旅行の半年前から一泊二万円を予算にしてホテルを探したのだけど、ロンドンの物価は高く、円安も重なって、軒並み一泊三万円を超えるホテルがほとんど。そんな中でも運良く二万円程度のホテルを予約することができた。
「Marylebone」エリアでハイドパークが近く、僕たちが行きたいところの拠点とするのにちょうど良い。「毎朝ハイドパークを散歩できるじゃん!」と気分も上がった。
宿泊先のホテルへ向かう。
ヒースロー空港から地下鉄ピカデリーライン、セントラルラインを乗り継ぎ、最寄り駅に到着。
ホテル所在の住所に着くも、ホテルらしきものはなかった。
共同住宅(フラット)が連なるエリアだ。
予約確定書にホテルの連絡先が書かれていたため、電話してみることに。
(通話可能なSIMにしておいて良かった…)
僕:「今日から3日間宿泊予定の者ですけど、ホテルの入り口が見当たらなくて。目印になるものはありますか?」
相手:「3泊予定の〇〇さんね!でも言っておくけどここホテルじゃないから!今から住所と入り口の写真を送るから着いたらまた電話ちょうだい。」
僕:「わかりました。」
一旦電話を切り、booking.comをもう一度良く見直す。
予約確定書を再度見ても電話した連絡先も合っているし、住所も電話の相手から送られてきたものと全く同じだ。
まあでもとりあえず言った通りにしようと、送られてきた写真のところへ向かう。10歩にも満たない場所で、景色と写真が一致する。
「いや、だからここホテルじゃないじゃん!」と再び振り出しに戻り、出口のない迷路にいる感覚になった。
相手を信じてひとまず扉の呼び鈴を押してみる。
相手:「ハーイ!あ、〇〇さん?」
僕:「はい、そうです。でもここホテルですか?」
相手:「いや、だからホテルじゃないって!とりあえず3階まで上がってきて。」
日も暮れあたりは暗くなってきた。日本からの2週間旅行の大荷物を持ってロンドンを彷徨うのは少し怖い。そして長時間フライト後なので、とにかく疲れている。
「もう、ホテルではないけど、泊まれそうならなんでもいいや!」という感じで、3階へと移動する。(3階までの階段移動もとても辛かった)
3階へ上がると、すでに扉を開けて一人の女性が待っていた。
少しふくよかで、年齢は40代後半と言ったところか。
名前は、「ジェニー」だという。
ジェニーの空き部屋を旅行者に貸しているようだった。
僕たちがホテルだと思っていたのは、B & Bのような住人と滞在する形式なのだとやっと理解した。
家の部屋や設備などを紹介され、奥に進んでいくと、小さなシーズー犬がジェニーのもとに駆け寄ってきた。
「リリーっていうのよ。よろしくね!」
僕は昔に犬を飼っていたので、リリーを紹介された瞬間に、
「かわいい!」と咄嗟に反応してしまい、少し撫でさせてもらった。
横にいる妻をふと見ると、顔が少し引き攣っている。
その瞬間、思い出した。
妻は、犬アレルギーだった。
僕たちが過ごすのは、基本的に二人だけの空き部屋ではあるが、共用部も使うことはある。気をつければリリーと触れ合わないようにできるけど、3日間も過ごすのは少し心配だなと思い、何か対応してもらえることを期待して、ジェニーに尋ねてみる。
「あのー、僕の妻が犬アレルギーで。」
するとジェニーは言った。
「大丈夫よ!この子は毛が抜けないようにシャワーにも浴びせて、洗っているし。心配ないわ!」
「え、ん?」と僕と妻は顔を見合わせた。
多分思っていたことは一緒だったと思う。
大丈夫だと判断するのは、どちらかというとこっち側では?
お互いに笑うしかなかった。
まあ、でもこの家はジェニーの家だし、他の宿泊先を見つけるにももう遅いし。郷に入っては、郷に従えということで、なんとか気をつけて生活しようと誓った。
思いがけない、ジェニーの家での、リリーを含めた3人1匹のロンドン滞在がスタートした。
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