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ベジタリアン、卒業。②

思えばパティシエ時代、「休甘日」など存在しませんでした。

ケーキ、クッキー、チョコレート、アイス、和菓子…etc.
毎日毎日、お菓子と呼ばれるものは何でも。
廃棄直前の店の残りもの、仲間の試作品、休みの日は勉強を兼ねた食べ歩き。
有名シェフの新しい店、話題のカフェ、デパ地下、ついでにパン屋さんも!
とにかく食べまくり、病気よりも肥満が怖くて沢山歩きました。
一日2万歩以上、ケーキ3、4個食べた日は玄米おにぎり1個だけ…の食生活。

元は普通のOLで、30才目前に飛び込んだ世界です。
10代〜20代前半の先輩に囲まれ、若い子には負けたくない!と言う意地と、飽くなき探究心か砂糖依存症か…?

このまま食べ続ければ病気になるんじゃないか?
ふと頭を過ぎることもありました。

実際、体調を崩して引退するパティシエは多いし、お世話になったシェフも若くして急逝。
それでも自分は大丈夫だと突き進んでいましたが、家族の海外転勤が決まり悩んだ末に退職。
心の何処かでホッとする自分も居たのでした…。

最後の挨拶をする時、アメリカのケーキを勉強して帰って来ます!と宣言。

「えぇっ!本気で言ってんの⁉️
アメリカでケーキの勉強は難しいと思うよ…。太るのは簡単だろうけどねぇ。(笑)」

シェフに苦笑された理由は、渡米後すぐ分かることになります。

③へ続く。。

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