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リンツァートルテ 〜古典を軽んじるべからず
グリュース・ゴット!ケイチェルおじだよ。
最近フランス以外のヨーロッパのお菓子ばかり作ってるおいたん。今日はオーストリアのリンツァートルテを作ったよ。
リンツ地方が発祥というこのお菓子の歴史はかなり古いらしい。一説には1653年にまで遡り、現代の「タルト」と呼ばれるケーキの原形になったそうだ。
「世界最古のケーキ」とも言われるこのお菓子を、なぜ突然作ろうと思ったのか?実は自分でもよく分からない。2週間ほど前にYouTubeでどんなお菓子なのか、その作り方を見て「正直、そこまで美味しそうじゃないな」って思ってた。古典菓子らしい素朴な材料構成だし、何よりおいたんはジャムが前面に出てくる食べ物ってあんまり好きじゃないのよ。トーストした食パンにジャム塗って食べるのすら気乗りしなくて、そういう朝ごはんはもう何年も食べてない。
ただ、ラズベリーのマカロンを作ろうと思ってラズベリージャムは買ってあったわけ。だけど今週末はマカロンという気分でもないし、うーんどうしよう、リンツァートルテでも作るか、っていうよく分からない後ろ向きな姿勢で作ってみたというわけ。
材料はこちら。
分量など詳細はこちらのパリ在住パティシエ・ケニサンさんのYouTubeをご覧下さい。
本当はヘーゼルナッツパウダーを使うんだけど、ないので(ていうか高いので)アーモンドプードルにします。ジャムも本場では赤スグリ(レッドカラント)のジャムらしい。
元レシピでは16cmタルトリングのところを18cm型で作るので、材料は1.2倍にしました。砂糖だけ同量にして甘さをやや控えめに。ジャムがたっぷり入ることを考えると生地はあまり甘くしない方が自分好みかもと思った。
生地は案外大雑把でいいみたい。砂糖をすり混ぜたバターに卵液・カカオパウダー・シナモンパウダー・バニラオイル・薄力粉をいっぺんに混ぜます。
さらにアーモンドプードルをよく混ぜて、ラップでまとめます。量が多いので、土台と飾りに分けてラップ。
冷蔵庫で2時間冷やし、土台生地を伸ばします。
ケニサンさんが言ってる通り、この生地はめっちゃ柔らかくてべちょべちょ。本来の作り方としては絞り袋でぐるぐる型に直接絞り出すやり方もあるらしい。
伸ばしたあと冷凍庫に5分ほど入れて固めて、タルト型に敷き込みます。これも型を上から被せてよいしょってひっくり返さないと無理だった。
縁をカットしてピケを打ちます。
再び冷凍庫で休ませます。
次は飾り生地のほう。土台から切り落とした生地と合わせて、クッキングシートに包んで20cm四方くらいに伸ばします。
冷凍庫で5分冷やし固めて、カットします。↓写ってないけど、定規で1.5cm幅を測りながらピザカッターでカット。ここ、打ち粉大事。
カットしたら冷凍庫に入れときます。今日は冷凍庫使いまくりよ。
土台を取り出し、ラズベリージャムを入れます。冷凍ベリーミックスも中途半端に余ってたので、水気を切って入れました。
↑できるだけジャムは控えめに…と思ったけど、結局ボンヌママンの1瓶を半分以上使った。この時点でリンツァートルテを作ろうと思ったことを後悔したほど、恐ろしい量だ。
細くカットした生地を格子状に乗せます。
端をカットし、生地で余った溶き卵を塗ります。
縁にアーモンドスライスを散らします。
これをオーブン160度で1時間焼きました。
型から外して、最後に縁に粉糖をファサーして完成。
割と美しくできたけど、菱形の格子模様がなくなっちゃった。上の生地がダレて広がってしまったらしい。
お昼ごはん抜きでお腹が空いてたので、まだ完全に冷めてないけど、一切れ食べてみた。まだ熱が残っててジャムがとろーりしてる。
ん?めっちゃ美味いやんけ(笑)
思ったほどジャムジャムしてない。上下の生地がかなり膨らんで、ちょうどいい具合の味のバランスになってる。この生地がシナモンの風味が効いてて、ラズベリージャムの酸味と合わさって高級感ある味わいになってる。素朴なお菓子かと思ってたら大間違いだったわ。
YouTubeでケニサンさんが「このお菓子、思った以上に美味しかった」って仰ってて、まったく同じ感想よ。本場のレシピではシナモンの他にクローブなんかも入ってスパイシーな感じになるらしいけど、シナモンだけで正解な気もする。ラズベリーじゃなくて赤スグリのジャムでも食べてみたいな。
昔のお菓子ってのは常温で日持ちもするところも嬉しい。やっぱり本や音楽と同様、古典ってのは舐めちゃいけないんだねえ。
おわり。