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【詩】鮮血

あの日から私は泣かなくなった
泣き方を忘れた
その時の最後の涙は涙ではなく
鋭い刃物で顔を切られて
血が流れたのかと思った

クローゼット
あの日着ていた服を見ては心揺さぶられる
「私はもう幸せにはなれないんだ
あんな目に遭った人間は
もう決して幸せにはなれない
なぜならそれに見合うほどの幸せはないのだから」

私は泣き方を知りたくて
痛ましい思い出のこびりついたその服を
いつまでも捨てないでいた




・・・・・

(※ヤンキーに怒鳴られただけです)

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