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「なりたい自分になる」髪のコスパなんて考えたことなかった。 #1書評 髪のこと、これで、ぜんぶ。

髪のコスパを考えたことがある人って、どれくらいいるだろう?少なくとも、私にはない。

そもそも、「なりたい自分」を髪で表現しようなどと思ったこともなかった。日々の忙しさや子育てに追われ、どんな自分でいたいのかなんて考えてこなかったのだ。

自分のことにはあまり関心がなかった私に、「もっと自分を好きになって!表現を楽しんで!」そんなメッセージをくれた本。




私の髪は、反抗期の子どものようだ。無限に広がるし、目に刺さるほど剛毛。そのくせ、毛先はあちらこちらにピンピンはねる。髪をかきあげれば、白髪たちがこんにちは。少しもいうことを聞いてくれない。

髪型はずっとショート。髪を伸ばしたのは人生で2回、成人式と結婚式のときだけ。それも終わった次の日にバッサリ切っている。

「なりたい自分」より、「楽な髪型」を優先。こだわりもなにもなかった。

髪を大切に思ったこともあまりない。「髪は女の命」だなんていうけれど、実際はよくわからなかった。

そんな私の考えを、180度変えてしまう事件が起こる。ある美容院で髪をガタガタにされたのだ。これにはさすがの私もショックだった。

鏡を見つめながら「あぁ、明日からどうしよう……」と泣きべそをかく。見かねた夫が、別の美容院で手直ししてはどうかと提案するほど。

こだわりなんてなかったはずなのに、理想の自分からあまりにもかけ離れてしまったことが悲しかった。無意識のうちに「私の髪型はこうあるべき!」と決めつけてしまっていたみたい。

でも、理想の自分ってなんだろう?どんな髪型なら、「ワタシ」として受け入れられるのか。自信をもって毎日を過ごせるのか。

そんな問いにヒントをくれたのが本書である。私らしくあるために必要なものが全部詰まっていた。

髪はもっと自由でいいし、なりたい自分を表現するもの。「こうじゃなきゃダメ」なんて固定観念はどっかいっちゃえ!そんな風にドンッと背中を押してくれる。

それだけではない。髪に対する「どうすればいいの?」がすべて記載されており、自宅ですぐに実践できるテクニックがたくさん。髪に起こる小さな変化が、こんなに気持ちを前向きにしてくれるなんて、思いもしなかった。

理想の髪型に近づく、それだけで気分は上がる。新しい服を買っても、新作の口紅を試しても、ずーっとは上がらない。そう考えれば、髪って本当にコスパがいい。

髪をとかして、鏡を見る。毎朝繰り返していることだけど、「今日も頑張るぞ、私!」と心の中で唱えて、ワタシらしく生きるために自分を鼓舞しているんだと気づく。

次に美容院へ行くときは、なりたい自分、「本当の自分」に会いに行こうと思う。



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