ピアノ曲 月
月は身近にありながら、未だ謎の多い天体です。太古の昔から人類は月を仰いできましたが、何故月があるのか明確な答えはありません。
月が無ければ私たち人類は存在しなかったにも係らずです。
数多の間違いもあると思いますが、ここで月に関する持論を展開していきます。
私たちは、月が有るという事実のみを受け入れて長い間暮らしてきました。
遥か昔に遡ると、恐竜も月を見上げていたでしょうし、日本人に限って言えば、中秋の名月として月を愛でる習慣があります。
この文章の本論と矛盾しますが、月が無ければ中世の人々は地動説を受け入れ易かったでしょう。
太陽を除き、肉眼で大きく見える天体である月に限り、地球の周りを他の天体が回っているという天動説が正しいと思われる根拠になっていたからに他なりません。
代表的な例で言えば、中世のイタリアの学者ガリレオ・ガリレイは明らかに地動説が正しいと考えましたが、当時は宗教上の理由で、その考え方自体が許されませんでした。
ガリレオ・ガリレイに限らず、名前も伝えられていない中世以前の天体を観測する多くの人々が、根拠を持って地動説を正しいと把握しながら、公然には発表出来ませんでした。
もし、月が地球の唯一の衛星であるという事実が説明出来ていれば、地動説の確定は歴史上かなり早い時期に位置していたと思います。
上記は西洋の学史上の話ですが、世界史で例外があります。古代のシュメール人は、地動説は当然のこととして更に肉眼では観測出来ない冥王星等の存在も既に把握していました。
肉眼では観測出来ない冥王星の存在をどうやって知ったのでしょうか。
望遠鏡を既に開発していたか、誰かから教えて貰った以外ありませんが、現代と同じ程度か現代以上の知識を持ちながら、残念なことにシュメール人は他の部族であるアッカド人により滅ぼされてしまいます。
過去に遡ってシュメール人に尋ねれば、月の成り立ちを教えてくれるかもしれませんが、そんな事は出来る筈もありません。
では、ここで何故月があるのか?
月は地球が誕生した後に、地球に巨大な隕石が落下して飛び散った破片の塊だという説がありますが、それは間違いで地球とほぼ同じ時期か地球より先に月は出来ていたと思います。
その根拠として、太陽系の親玉である太陽を除いて、惑星は小さなものから先に成立すると考えるからです。
さらに、地球はまだ表面に近いところが冷え切ったばかりで、未だマグマが噴き出すような火山活動が活発です。しかし月は既に火山活動もなく、地表面は非常に落ち着いています。
加えて、月の大きさは地球の4分の1程度ですが、衛星としては大きすぎ、破片で出来る大きさではないと考えます。寧ろ地球と月は兄弟星の関係に近いと思います。
太陽系がほぼ形成された時、月は地球の外側、つまり地球と火星の間に存在する惑星の一つでした。しかし地球が小惑星の衝突等により重力が肥大化し遠心力で軌道が外側に振れて、月が地球の引力に巻き込まれて衛星化したのだと思います。
その際、月の表面の気体等は全て地球の引力の影響で持っていかれてしまい、月に大気がなくなったのだと思います。
話はずれますが、月の大気等と共に、月から地球に引き込まれてしまった可能性がある生き物として昆虫を挙げておきます。
地球上の生物の殆どが足は4本であるに係らず、昆虫は6本も足がある上に羽もあります。種類によっては引っ繰り返ると起き上がれず死を待つしかないといった特殊な生き物です。
未だ地球の重力に対応出来ている様には見えず、昆虫は地球よりも重力の軽い月に誕生した後、地球へ引き込まれたのではないかと考えます。
次に、地球と月の自転速度の同期が起こりました。惑星は大雑把に言うと電磁場で回転する大きなモーターであり、引力が届く範囲で互いに干渉します。
この干渉の為に地球と月の自転速度が同じになり、月はいつも同じ面を地球側に向けています。
昔は月は自転していないという人も居ましたが、そんなことは有り得ず、同じ速度で回っているからこそ同じ面が見えているのです。
また、この同期により現在の地球の自転速度となり、1日が24時間に定まりました。勿論ですが、時間は地球の自転速度に人間が勝手に尺度を付けただけです。
月は地球に大変大きな影響を与えています。月の引力がなければ地球の自転速度は今の3倍にもなり、1日の時間は8時間程度、そして陸地はとてつもない強風が吹き荒れ、海からの大波が陸地を洗う荒れた環境になってしまいます。
つまり、月がなかったら生物は陸地には進出出来ず、深海など一部にしか生物が生息していない状況になってしまっていたのではないかということです。言うまでもなく人間など居ません。
なぜなら人間は、穏やかな海や湖で半水生の暮らしをしていた時代がありました。その時に背骨が真っすぐになった上、水の浮力を借りて初めて二足歩行が可能になりました。また猿のように生えていた体毛も半水生であったことから保温や活動しやすい様に頭などの一部にしか残りませんでした。
今後、宇宙から資源を地球に運び込む時代になるのでしょうが、地球の重量が増えて月との引力差を崩す事態になれば、月が地球に接近し地球の自転速度が変わり一日の時間がずれる可能性もあります。
さらに、引力差の限界を超えてしまうと月が地球に落ちてくることになり、SFの世界が現実化してしまうでしょう。
将来、宇宙から資源を地球に運ぶ輸送船を「静かなる隕石」と呼び、警戒を促す事になるのは明白で人類絶滅の一歩になる筈です。
その後の予測ですが、恐らく「重力均衡法」なるものが法定化され、地球上に運び込んだ資源と同一の重量物を宇宙へ移し出さなければならないという法律が出来るのでしょうが、ゴミやら放射性物質やらとんでもないものを宇宙へ放り出すようになり、宇宙規模環境破壊の問題が生じることになると思います。
正に歴史は繰り返すですね。