おもいやり
私の本名にはある漢字が含まれている。
「優」という字だ。
かなりよく見かける良い意味の字に見えるだろう。
実際私も良い意味であり、全てのものに優しくということを心がけていた。
ところがである。
事の始まりは、中学三年生、修学旅行で訪れた奈良のお寺であった。
住職はおもむろに私たちに尋ねた。
「この中で名前に”優”の字が使われている子はいる?」
ちらほらと手が上がる中、例にもれず私も挙手した。
自分では気に入っている漢字であるので、
まさかダメだしされるなんて当時の私の頭にははなっからなかった。
住職は言った。
「優しいっていう漢字はね、”見返り”を求めてしまうんだ。
してやったからお礼を言われてあたりまえ、してやったのにあいつは何もしてくれなかった。
それでは駄目なんだよ。
君たちがこれから身につけなければならないのは、
”優しさ”ではなく”おもいやり”だよ。
ただ人のためを思って行動するんだ。」
住職の言葉に深く感銘を受けた私は、今でもこの言葉に従いおもいやりを持ち行動することを心がけている。
ただひとつ言わせてほしいのは、そのお話の後の手を挙げた名前に優の付く我々の空気感、
あれ、住職どうしてくれる?って感じでした。
名前は親からの最初のプレゼント。
つける際には住職に相談してみるのもアリかもしれないですね。
一生使う大切な名前。
いいものをつけてあげてくださいね。
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