見出し画像

15/キリスト・コンプレックス

<3,074文字>

【記事のポイント】後期印象派を代表するゴッホとゴーギャンは受難の道を進みましたが、そのイメージに大きく重なるのが『巨人の星』です。西洋美術史とスポ根の類似性を指摘します。


第2章/4. 後期印象派と巨人の星


「生前は評価に恵まれず、画家の死後、その作品は歴史的な価値の見直しを受ける」

それは、印象派の画家たちが作り出した、極端にドラマチックな評価のイメージです。
セザンヌ、ゴッホ、ゴーギャンなどの後期印象派が、その頂点と言えるでしょう。


特にヴィンセント・ヴァン・ゴッホは、作品に勝るとも劣らぬほど、その生涯が人々の心を揺さぶる作家です。

強烈な創作意欲。弟との固い絆。

認められない作品。悲劇的な自殺。

しかし、古来画家もひとつの職業だったわけですから、すべての画家がゴッホのような狂気を生きたはずもありません。

ここから先は

2,722字

現在の日本の文化がいかにしてつくられたかを、ルネサンス以来の大きな流れの中でひもときます。

マインドブロックをつくり出しているのは、自分自身です。それが腑に落ちると、すべては一気に好転し始めます。ただし、つくり出す過程は『自分一人…

1975年には、時間意識の大きな断層があります。 そのことをテレビマンガをテーマにひもときます。

日本人の意識が、なぜ1970年代に大きく変わったのか? それは、ビデオの登場によって映像の視聴体験がまったく別の形になったからです。 ビデ…

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?