見出し画像

06/変化の楽しみは反転のめまい

<2,447文字>

【記事のポイント】逆説には、ジェットコースターのようなスリルがあります。ヒーローの変身は、その魅力の結晶です。


第1章/6. 普遍と変化


変身…。

変身願望というのは、おそらくほとんどの人にあるのではないかと思います。

その理由として現実逃避という指摘を耳にしますが、現実の側にも変身の瞬間はあちこちに存在します。
学生から社会人への変身、未婚者から既婚者への変身。

それらが現実逃避と呼ばれることはありません。

また、良き家庭人は消費の欲求を抑えられる人ですが、良き企業人は消費をうながせる人です。
近代社会においては、人は昼と夜とで変身することを求められているのです。


つまり、変身を望む感性は必ずしも現実逃避だけで説明できるものではなく、問題にすべきは「変化が良いと思える」価値観にあります。
運動の方向や存在の状態を急激に変えることには、それ自体に内在している喜びがあるのです。

それはまわる時間の文化ではありません。

すすむ時間、つまりパターン化を嫌い、絶えず新しい着地点を求めるモダン文化の価値観なのです。

ここから先は

2,015字

現在の日本の文化がいかにしてつくられたかを、ルネサンス以来の大きな流れの中でひもときます。

マインドブロックをつくり出しているのは、自分自身です。それが腑に落ちると、すべては一気に好転し始めます。ただし、つくり出す過程は『自分一人…

1975年には、時間意識の大きな断層があります。 そのことをテレビマンガをテーマにひもときます。

日本人の意識が、なぜ1970年代に大きく変わったのか? それは、ビデオの登場によって映像の視聴体験がまったく別の形になったからです。 ビデ…

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?