18/たった一つの命を捨てて……
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【記事のポイント】「たった一つの命を捨てて……」というセリフには、『絶対に後戻りができない』というアヴァンギャルドの決意がみなぎっています。
第2章/7. 未来派とキャシャーン
それまでの芸術運動が他者から与えられた名称を受け入れてきたのに対して、未来派はみずから名乗りを上げた最初の芸術運動でした。
時は20世紀初頭、発祥の地はイタリアです。
そこにはどうやらイタリアならではの焦りが関係していたようです。
というのも、長い間美術の中心だったイタリアは、残念ながら19世紀を通して意味のある役割を担うことができませんでした。
フランスは印象派を生み、キュビスムを育てました。
一方、ドイツは表現主義を送り出し、それに勝るとも劣らないバウハウス運動や抽象絵画の偉大なムーブメントを作り出していました。
イタリアの威信はどこへやら。
そうした背景を持って生まれた未来派は、したがって国家主義と何ら矛盾することがなく、やがてファシズムとのランデブーを始めることになります。
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