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13/どちらに正義があるのか?
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【記事のポイント】絵画の様式は、誰を依頼主にするかによって変わってきます。貴族がパトロンなら貴族的に、民衆が指示するのであれば民衆的に。誰が『正しい』ということではありません。正義は、そもそも総体的なものだからです。
第2章/2. ロマン主義とトリトン
あらためて指摘されることのない些細な話ですが、ロマンチックの原意はローマ的。
よって「ロマンチック・ラブ」の直訳は、「ローマ的な恋」になります。
ただし、この場合のローマは、地名というよりも「現実離れした」といった意味あいで、むしろユートピアという言葉に近いものです。
そのユートピアは、ラテン語で「どこにもない場所」。
16世紀の詩人トマス・モアの造語です。
モアの描いたユートピアは、共産主義と男女平等が達成された世界であり、それは確かに当時の地球上にはどこにも存在しない場所でした。
おもしろいのは、ここでもまたリニア・パースペクティブ的な感性が顔を出していることです。
「どこにもない場所」というゼロの名称を起点に、空想の世界が構築されたわけです。
モアが『ユートピア』を執筆したのは1516年頃と言われており、レオナルド・ダ・ヴィンチが没する3年ほど前のことでした。
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現在の日本の文化がいかにしてつくられたかを、ルネサンス以来の大きな流れの中でひもときます。
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マインドブロックをつくり出しているのは、自分自身です。それが腑に落ちると、すべては一気に好転し始めます。ただし、つくり出す過程は『自分一人…
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1975年には、時間意識の大きな断層があります。
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