23/『巨人の星』のデカダンス
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【記事のポイント】『巨人の星』の『消える魔球』と『宇宙戦艦ヤマト』の『ワープ航法』は、デカダンスの文脈で捉えると、とても似ていることがわかります。
第3章/2. 世紀末と消滅の夢
少し話を急ぎ過ぎたかも知れません。
モチーフがデカダンスなのですから、その特質に即して時間を間延びさせるべきでしょう。
デカダンスのもっとも大きな特質とは、極小の時間の中に寄生し、細部にこだわることだからです。
結末までの限られた時間をどれだけ濃密に過ごせるかが、重要な課題でした。
全体の限界が、部分への耽溺をいやましに誘うわけです。
ヨーロッパにおいて、デカダンス文化がもっとも花開いたのは、19世紀末でした。
新しい世紀を迎えられないかも知れないという世俗的な恐怖がまずベースにあり、政治の混乱が不安をさらにあおりました。
迫りくる世紀の終わりに向けて、緊張感が徐々に高まっていきます。
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