13歳からのアート思考#1
noteの読書感想文の課題図書でもある『13歳からのアート思考』という本を読んだのでまとめていきます。
中学生の嫌いな教科No1は美術
本のタイトルである13歳のアート思考とは、中学生になると嫌いな科目のNo1が『美術』になるところからきています。
数学や国語、音楽など他の教科も好きな教科ではなくなる子どもが多いのですが、小学生から中学生に変わり最も下げ幅が広い教科が美術でした。
みなさんの美術という教科に対するイメージはどんな感じですか?
・絵が下手だから好きではない
・センスがないので成績はいつも「2」でした
・将来役に立つわけではないのでない
こんなイメージを持たれている方も多いのではありませんか?
著者の『末永幸歩』さんは、美術に対する苦手意識には明確な原因があるとしています。
その分岐点が『13歳』
小学生の好きな教科ランキングで「図工」はなんと3位だそうすが、それが中学生になると大幅にランクダウンして、苦手な嫌いな教科No,1に「美術」がやってくるようです。
ではなぜ嫌いな教科となってしまうのか?
・絵が上手い人との差がひどい
・評価の基準がわかりずらい
・テストは作品の暗記
・自分には美的センスがないと思ってしまう
このような理由があるようです。
絵を描いたり物を作ったり美術史を学ぶことで、生徒の創造性を上げているように思われますが、実はこの授業スタイルに問題があると著者の末永さんは書かれています。
大人が学び直すべき教科の最優先は美術
世界的に有名な画家である『ピカソ』はこう言ったそうです。
「すべての子どもはアーティストである。問題なのは、どうすれば大人になったときもアーティストでいられるかだ」
これを読んだ時には、痺れました。
自分がアーティストだった?何が変わったんだろうか!?そんな疑問が自分の中かから湧いてきて、どんどん読み進めていきました。
自分がSNSや映画や絵画を鑑賞した時に『自分なりの視点』はそこにありますか?と著者は問いかけてきます。
私にはなく、同じように無い方もいるのではないでしょうか?絵を描いた時に他人と比べて『上手いか下手か』という見方しかできていなければ、自分なりの視点がないのです。
そもそも上手いか下手の基準もわかっているようで、わかっていません。
大体の人は、『そっくり』つまり写真のような出来栄えを『上手い』として見たことないような物を『下手かこれはなんだ?』と感じるのではないでしょうか?
アーティストとはなにか
①自分だけの物の見方で世界を見つめ
②自分なりの答えを生み出し
③それによって新たな問いを生み出す
アート思考とはこの思考『プロセス』で、自分なりの視点で見つけて自分なりの答えを出すことです。
著者は「私たちが美術で学ぶべきことは、作品の作り方ではない」
アート的なものの考え方でありそれが『アート思考』を身に付けることが、本来「美術」の授業の役割であると話しています。
恥ずかしながら、自分が中学生の頃は「アート」という言葉すら意識することがなかった気がします。学校の授業は基本的には他人と比べて優劣をつけるので、『人と同じように』を意識して「自分だけの作品」ではなく「みんなと同じような恥ずかしく無い作品」を意識して作っていました。
今考えれば、自分の作るものに自信がないから他人に寄せようとしていたのかもしれません。人の性格と同じように、「作品も人の数がありそれぞれを受け入れるスタンスでいいんだよ」と13歳の自分に伝えたくなる内容でした。
次回は『アート思考ってなんだろう』です。