「本とあるく旅/森まゆみ著」ビブリオエッセー
《旅にテーマを持てば味が出る》
知っている街を描いた小説は気持ちが入りやすい。
脳内で映画仕立てにするのがよりリアルに楽しめる。
この本は、その逆で、明治〜昭和初期に活躍した作家やその作品に寄り添った旅をする。
北海道は歴史が浅い。
開基150年をすぎたばかりだ。
戦国時代も江戸時代もない。
関西や九州へ行くと、その土地の持つ歴史の深さを感じる。
そこへ、日本文学の一冊を重ねていく旅は、初めてしまったら、それはそれはたまらないものになりそうだ。
石川啄木は北海道にもゆかりがある。車で旅をすると割と「石川啄木の碑」に出くわす。
最近の楽しみに、旅へ行く時に、旅先が出てくる一冊を読むことがある。その土地へ行ったら思わずニヤッとしてしまう。
まだまだ自由な旅は先になりそうだけど、旅の楽しみ貯金はしておきたい。
ミーハーぽいが、小栗旬の太宰治でも見直してみようかなとふと思う。