二本松提灯まつり2024
今年、およそ四半世紀ぶりに二本松の提灯まつりを見物してきました。
前回訪れたのは、何と学生のとき。たまたま夜に開講していた商法の授業が休講になり、「話の種に」と訪れた時以来の訪問となりました。
二本松の提灯まつりの始まり
公式HPによると、今から約370年前の寛永20年(1643年)、藩祖として二本松に入部した丹羽光重公が、敬神の意識高揚の一環として二本松神社を祀り、寛文4年(1664年)以来、領民のための祭りとして定着したのが始まりです。
昔は旧暦の8月15日前後に行われていたそうですが(なので、幸田露伴が二本松に立ち寄ったときは、新暦の9/28だった)、大正7年(1918年)の二本松大火以来、10/4・5・6に開催。更に、2019年より10月第1土・日・月と開催日を変更しつつも、伝統を守り続けているというわけです。
もっとも、「領民のための祭り」であるためか、幕末までは二本松藩の武家の子どもたちは、「武士が町人と共に浮かれ騒ぐような真似をしてはなりませぬ」と厳しくしつけられたそうです。
祭りの警備などには当たっているのですけれどね。
祭り当日も、日野様(幕末の家老のご子孫)から同様の話を伺ったので、二本松藩の武家社会ではごく常識的なしつけだったのでしょう。
実は、この「武家のしつけ」の名残が見られるのが太鼓台の運行図。
私にもすっかりおなじみとなった「にほんまつ城報館」の北側に御城があるのですが、二本松神社(両社山)から城までは「久保丁坂」(江戸時代は、この久保丁坂入口に大手門がありました)が最短ルートなのですが、太鼓台はその久保丁坂や一之丁(城報館の辺り)を運行していないのです。
大手門をくぐり抜けるのを控えたのかもしれませんが、この辺りは中級~下級クラスの武士の住む地域でもありました。
いずれにせよ、「庶民のための祭り」だったことが、この運行図からも伺えます。
個性豊かな字紋・法被
提灯まつりに参加するのは、
本町
亀谷
松岡
根崎
若宮
郭内
の7つの集落。
実は、町内ごとに「字紋」があって、これは家紋の一種とも言えるもの。
旗、担ぎ手の法被(これも町内によってデザインがすべて違います)、そして太鼓台の車輪軸のところにもこの紋が刻まれており、伝統と歴史を感じることが出来ます。
本町地区。称念寺の近くでこっそり撮影させていただきました。本町地区の担ぎ手の中には、外国の方のお顔も。
二本松は郊外にJICAの研修施設があるので、意外と外国人の方もお見かけすることがあります。
一方こちらは、竹田地区。竹田は菱違い紋です。
出発前の郭内。
根崎地区。
ちなみにこれらの地区の他にも、松岡や若宮もあります。
私が今回こちら側に回ったのは、亀谷坂にある「露伴亭」を訪問したかったからでした。
→臨時休業でしたが、八月に開催された「数楽カフェ」のときに出た「白露」をお届け得してきたのです。
ちなみに、祭り自体は3日間開催されますが、7町全ての太鼓台が出るのは、初日の宵祭のみだそう。
太鼓台の出発式が亀谷ロータリーで行われることもあり、いつもは電動アシスト(レンタサイクル)で回るところを、今回は徒歩で回ったのでした。
まさかのデジカメのバッテリー切れ
そして今回、お天気があまり読めなかったこともあり、当日午前中まで出かけるべきか迷っていました。
さすがに雨の中の見学は厳しいですし……。
そのためでしょうか。実はいつも撮影で使用しているデジカメを充電し忘れ、肝心の宵祭の時間になってバッテリー切れが(T_T)!
できればきちんとマイカメラで撮影したかったのですが、YouTubeをお借りしたのは、そのような事情によるものです……。
ですが、雰囲気は抜群。
この賑やかさ、どこかで覚えがあるなあ……とつらつら考えたところ、私の地元の祭りである「須賀川松明あかし」の雰囲気に似ているのでした。
もちろん、祭りの形式や由来は全く異なるのですけれど。
太鼓のお囃子、そして夜のお祭りということで幻想的な雰囲気が似ているのかも知れません。
太鼓台大解剖
ところで、提灯まつりの華である「太鼓台」についてです。
これは、ミニチュア版?実物大?をにほんまつ城報館で見学することができます。
確か、詳しい説明を2Fのところでやっていたような……氣もするのですが、あまりにも行き慣れてしまって見る気にならず、提灯まつり関連の展示については解説出来ません^^;
というわけで、太鼓台の詳細についてはパンフレットに委ねます。
https://www.nihonmatsu-kanko.jp/wp-content/uploads/2016/07/cho-pamp02.pdf
さて、私にとっては提灯まつりと同時に、新たな出会いがあったことが、今回の訪松最大の収穫でした。
その詳細については、また改めてお伝えします!
これまで数々のサポートをいただきまして、誠にありがとうございます。 いただきましたサポートは、書籍購入及び地元での取材費に充てさせていただいております。 皆様のご厚情に感謝するとともに、さらに精進していく所存でございます。