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プロフェッショナルの矜持①~須賀川特撮アーカイブセンター訪問記
訪問してから既に1ヶ月以上経ってしまい(訪問したのは11月6日、7日)、一部の写真の季節感がすっかりずれてしまっているのは、否めません😅
ですがせっかく撮影してきたので、そのまま利用したいと思います。
そんなわけで、須賀川市の「特撮アーカイブセンター」について、記事にしてみました。
田舎道をサイクリング
例によって、交通手段は自転車です。
いつもに増して、田舎道を自転車でひた走りました。
これは、途中で見つけた「バス停」の標識。ご覧のように、公共の交通手段は期待できません。
他の土地からの「観光客」が訪問する際には、基本的に「車」かタクシーの利用がおすすめです。
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余談ですが、須賀川駅を起点に車で向かうと、下記のようなルートを辿ります。
県道67号(須賀川中野線)を走って、旧岩瀬村役場を目指すイメージですね。
なお、私が目指したのは別ルートです。(旧長沼町経由のルート)
途中、「牛舎」もありました。
須賀川市内で「牛」は、数年ぶりに見かけたかもしれません。
他所様の私道でギリギリまで接近して、何となく撮影してみました。
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が、なにせ田舎道は「ランドマーク」がない😅
ランドマークが「信号機」というのも、田舎あるあるです(苦笑)。
後は、せいぜい「お寺」くらいでしょうか。
須賀川市内に「瑞巌寺」があるのも、初めて知りました。
あの松島の「瑞巌寺」(こちらは、伊達政宗縁の寺として有名)との関連も知りたいところですが、今回は割愛します。
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旧岩瀬村役場を目指せ
そんなこんなで、かれこれ2時間は自転車で彷徨っていたでしょうか。
自転車がパンクせずに済んで、本当に良かったです。
←パンクしていたら、帰れなくなるところでした^^;
午後も遅い時間になり、ようやく目的地に到着です。
旧岩瀬村の中心部に出掛けたのは、実は今回が初めて。
ちなみに、私の自宅からは「郡山市南部(安積町など)」に出かける方が、よほど近いです……。
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出掛けたのは週末ということもあり、駐車場には多くの車が停められていました。
そんなわけで、このような中途半端なアングルからの撮影です。
建物に描かれている怪獣は、「スカキング」の愛称が付けられているとのこと。
「きゅうり」が武器というのは、ご愛嬌でしょうか(笑)。
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![](https://assets.st-note.com/img/1639737178904-SMkyzRXTdu.png?width=1200)
駐輪場に自転車を停めて、建物の中に入ります。
ちなみに、入館料は「無料」です。
……が、「有志の寄付」を募っています。
個人的な意見ですが、「入館料」は徴収していいと思いますね。
同館は地元民ですら、アクセスするのが非常に大変な場所にあります。また、この後述べるように、展示物は非常に見応えがあるものです。
現状のままでは「タダの箱物行政」としてしか、認識されないかもしれません。
今後持続させていくためにも、今からしっかり収入源を確保しておくべきでしょう。
<寄付申込受付>
アニメ特撮アーカイブ機構 ご支援のお願い
いきなり庵野監督
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常設なのか、特別展示なのかは不明ですが、まずは「庵野監督」の等身大パネルが目に入りました(笑)。
ですが、特撮アーカイブセンターのHPを見て知ったのですが、ここの「理事長」なんですね。
それだけでも、地元民としては鼻が高いです。
また、少しだけ以前にネタバレした「巨神兵東京に現わる」のディレクターを務められた点を考えれば、パネルがあるのも当然かもしれません。
※ここで注意喚起。
館内は写真撮影が可能ですが、スマホの撮影のみが許可されています。デジカメや一眼レフなどはNGなので、ご注意を!
そんなわけで、割と縦長の写真が続きます。ご了承くださいませ。
庵野監督のパネルから左手の頭上を見上げると、数々の飛行機の模型が展示されています。
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思わず、「シン・ウルトラマン」をパチリ。
![](https://assets.st-note.com/img/1639748048018-fVS0gVrlsT.png)
2階から見下ろすと、ゼロ戦やら全日空、飛行船、ヘリコプター等など。
子供だけでなく、大人が見ても楽しいです。
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また、関係各人のサインパネルも、しっかり展示されていました。
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特撮オタクでなくても見応えあり
さて、「特撮オタク」の聖地?になりつつある同館ですが。
「特撮に詳しくない人」でも楽しめたほうが良いですよね。
というわけで、少しだけ特撮に関わる人の役割を、フォーカスしてみました。
特技監督
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特技監督は、企画準備から映画が完成するまで特撮パートの全てを仕切る指揮官である。作品や会社によって特撮監督、または特殊技術とも呼ばれる。1954年「ゴジラ」の功績により、翌年「ゴジラの逆襲」で円谷英二に日本初の特技監督の称号が与えられた。円谷監督以降、他者でも特撮の比重が重い映画に擱いて、本編のドラマシーンと特撮シーンを分けて、1本の映画を2人の監督が演出することが標準になっていった。
このパネルを読んで、初めて円谷英二監督の仕事の概要がつかめたかもしれません。
「特撮」って、確かに役者さんの演技以外にも、様々な技術が必要ですものね。それをトータルパッケージとしてディレクションするのが、「特技監督」ということなのでしょう。なるほど!
照明・撮影
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特撮セットにおける照明は、単に太陽光線の代わりではなく、狙いに応じた劇的な空間を演出するには欠かせない。夜の街をライトアップするサーチライト、壊れるビルの中で光るフラッシュ球、怪獣の光線が当たった照り返し、などシチュエーションに応じて様々な技法を駆使する。ミニチュアの巨大感を表現するため、特撮は高速度撮影が基本であり、ライトの量も通常より膨大な数になる。美術や造形と連携して、夜のビルの電飾やゴジラの背びれの発光など、繊細な仕込みも重要な仕事である。
ミニチュアをいかにリアルに写し撮るかは撮影の腕によるところが大きい。特撮セットにおいては、カメラ位置とカメラワーク、レンズの選択、絞りと光量の計算、撮影倍数の選択、など全ての要素が出来上がりを左右する。複数の要素を重ねあわせる素材撮影や、状況に合わせてカメラ自体を横にしたり逆さにしたりするセッティングも特撮ならではのイマジネーションと柔軟性が求められる。また飛行機をピアノ線で吊って飛ばしていた時代は、ピアノ線を塗って消す技術も撮影部には必須の技であった。
今だと、ある程度パソコンで処理できるものもあるのでしょう。
ですが、光の当たり具合や発光具合、カメラワークなどをアナログでやっていた時代には、正に「職人技」だったのでしょうね。
美術
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特撮における被写体全てを設計し、制作するのが特殊美術である。東宝においては、デザインおよび設計を行う美術、舞台の基礎づくりや木工制作を担当する大道具、怪獣を作る造型、壊し用のミニチュアを制作する石膏、ミニチュアの塗装や背景画を描く背景・塗装、メカニックを担当する機械工作、ミニチュアや怪獣に電球などを仕込む電飾、ミニチュアの中に精密なギミックを仕込む模型など多くの役割が分業されていた。この組織全体を指揮するのがデザイナーの役割である。怪獣やヒーローが映画の主役を担うようになり、造型部だけが別部署として独立することになる。
ミニチュアサイズでも、本当に良くできた特殊美術は、リアリティが違います。
今だと、素人でも映像を拡大して見たり簡単に分析できたりしますから、あまりにもフェイク感が漂うと、たちまち批判を浴びるのでしょうね(苦笑)。
特効
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特殊効果は火薬を使った爆発や火花、町や山の炎上、煙や霜を作り出すためのスモークやドライアイスを担う役職である。またミニチュアの仕掛けに外部から電気を送ったり、夜のシーンの街の電飾を入れたり、電気関係も受け持つ。怪獣が口から火を吹いたり、糸を吐いたりというシーンも特殊効果の出番となる。東宝特撮においては長年分離されてきた部署であるが、他社では多くの場合「操演」が兼任するようになった。危険と背中合わせの、重要な見せ場を作る役職である。
このパネルの説明が正しいとするならば、東宝は少々特殊な分業体制なのでしょう。
また、火薬などを扱う以上「危険物取扱主任者」などの免許も必要なのだとか。これは、後述する「操演」も同じですね。
さらに、ひょっとすると力学など理系的な知識も必要なのでしょうか。
リアリティを演出するには、緻密な計算も必要になりそうな気がします。
操演
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ミニチュア特撮において、動かないものに命を吹き込むのが「操演」である。戦争映画では戦闘機のミニチュアを飛ばし、戦艦を操舵する。怪獣映画では怪獣の尻尾や首、羽などを、ピアノ線で操り怪獣の演技を手助けする。円谷英二がこの役割を命名したとされ、1965年の「怪獣大戦争」で初めて映画にクレジットされる。時代の変化と共に役割が統合され、今では特殊効果の仕事も含め、水落しや陥没などの大仕掛けを操演が担当するようになった。「操演」はミニチュア特撮の黄金時代において、花形の役職であった。
今だと大方「パソコン」で処理されてしまうのでしょうが。ミニチュア特撮では、「ピアノ線」が大活躍だったんですね。
そう言えば「ピアノ線」という言葉自体も、耳にする機会が減りました。自宅にピアノがある人でも、グランドピアノを使っているのでなければ、ピアノ線を目にする機会が少ないかもしれません。
長くなるので、3回に分けてお伝えします。
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