ふくしまの酒味噌醤油まつり
昨日、こちらへお伺いしてきました。
私がこのイベントの開催を知ったのは、3年前に取材をさせて頂いて以来、ずっとお付き合いの続いている「ヤマボシ醤油様」からのお知らせです。
会場がビッグパレットふくしまということで、私も比較的行きやすい場所での開催、そして何よりもヤマボシ様も来場されるということで、久しぶりにお目に掛かれるのを楽しみにしていました。
そして、今回密かに楽しみだったのが、相馬の「山形屋ヤマブン醤油さま」がいらっしゃるかもしれない、ということ。
覚えていらっしゃいますでしょうか。2011年の3.11のみならず、その後、2021年の2.13、2022年の3.16の福島沖地震で、甚大な被害を受けた名店です。
昨年秋に発表された「第50回醤油品評会」でヤマブンさまが日本一に輝いたのは存じ上げていましたが、当地から相馬まではさすがに距離があり、なかなかヤマブンさまの「日本一の醤油」を口にする機会に恵まれなかったのです。
会場にて
会場は予想以上の大盛況。私は安積永盛駅から徒歩でビッグパレットに向かったのですが、丁度お昼時ということもあり、何組も駅から会場に向かう人を見かけました。
私が真っ先に向かったのは、「味噌醤油ブース」。他に日本酒コーナーやキッチンカーコーナーなどもあったのですが、何よりヤマブンさまのお醤油を手にしたかったのです。
幸い、私が訪れたときはまだヤマブンさまのお醤油が残っており、早速360ml入の小瓶を購入しました。
ここで、図々しくも?渡辺代表とお話させて頂きました。兼ねてよりヤマボシさまから、「山形屋さんの皆様は、お人柄も素晴らしい」と伺っていたのですが、本当に、誠実かつ穏やかなお人柄が感じられる方でした。
私もヤマブンさまの「その後」はずっと気になっていただけに、初めて代表の方とお話させて頂き、感無量です。
さらにここで、ヤマボシさまご夫婦と久しぶりの再会。以前より、ぜひおすすめしたいと思っていた手土産(須賀川の太田屋菓子店さまの詰め合わせ)を渡した後、奥様とご一緒させて頂き、会場のあちこちのブースを回って楽しませて頂いたのでした。
ちなみに、ヤマボシさまのお醤油はヤマボシ様ご夫妻が到着された時点で、何と既に完売(^^)
その人気ぶりに、私もびっくりです。
食レポ
帰宅後、「ヤマブンさまのお醤油を味わうならば、どんなメニューが良いだろう?」と、しばし熟考。
ラベルを見ると、次のような説明がありました。
「常磐もの」のキーワードが出ているということは、やはりお魚系のメニューが似合いそうです。
そう言えば、かつてヤマボシさまのお醤油を初めて味わったときも、鮭大根を作っていました。
あまり聞き慣れないメニュー名ですが、作る手順としては「鰤大根」を参考に。
まず、大根を乱切りにして下茹でしておきます。
概ね、大根にすっと竹串が刺さるようになればOK。
次に、一度茹でこぼして新たに水と調味料類を入れて煮含めます。
調味料は
• 酒
• だしの素
• みりん
• 砂糖
• 醤油
など。分量は全て適量です。家庭料理ですしね……。
3年前に作ったときは塩鮭を使いましたが、今回は養殖物の生鮭が売っていたので、それを使用。
なので、今回は少ししっかり目の味付けです。
また、鮭の臭み消しも兼ねて、生姜を一欠千切りにし、軽く色が着く位まで一緒に煮ていきます。
今回は生鮭を使用。そのためか身が柔らかく、切っている側から身が崩れて若干焦りましたが……。
切り身を大きめに切り分け、長ネギと一緒に、上の鍋に投入します。
一旦煮立たせ鮭の色が変わったところで、落し蓋をして中火~弱火で10分ほど煮含め、しばしそのまま放置。味を染み込ませます。
そしてこちらが完成した「鮭大根」です。
初めての味
今回初めてヤマブンさまのお醤油を味わってみて感じたのが、「ふんわりとまろやかな味わい」ということでしょうか。塩味はしっかり効いていて切れもあるのにも関わらず、表に出すぎず、食材とのバランスを取りやすい味、というのが私の感想です。
また、「こいくち醤油」ではありますが、ヤマブンさまのお醤油は色味が薄めのような気がします。
こちらは、3年前にヤマボシさまを取材させていただいたときの醤油の写真。
ヤマボシさまのお醤油も一般の醤油と比べると色味が明るく、「赤み掛かった」醤油です。
ですが、ヤマブンさまの醤油はもっと色が明るいように感じられます。
下の写真は左側がヤマブンさまの醤油、右側がヤマボシさまの「吟上」。ヤマボシさまのお醤油は、開封してから少し時間が経ってしまっているため、やや酸化して色が濃くなってしまっているかもしれませんが……。
お味ですが、ヤマボシさまのお醤油の方は、微かに甘みを感じる味わいでしょうか。対して、ヤマブンさまのお醤油は、きりっとした塩味を感じます。
いずれも、甲乙付けがたい味わい。料理方法や好みに合わせて、使い分けたいところです。
それにしても、同じ「福島方式」で作られた生揚醤油を使用しながら、火入れなどのプロセスを経ると、随分と蔵元ごとの個性が出るものです。
今でこそ大手の醤油メーカーの製品がスーパーなどで出回っていますが、以前にも書いたように、醤油は「その土地ごとの個性が出る調味料」。
今回、初めてヤマブンさまのお醤油を味わったことで、それぞれの土地に根ざした醤油が、地域の人々によって守られているのだというのを感じました。
ヤマブン醤油さまやヤマボシ醤油さまを始めとする、醤油の名店がいくつもある土地、福島。そこは正に、「醸造王国」の名にふさわしい人々が暮らす地なのです。
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これまで数々のサポートをいただきまして、誠にありがとうございます。 いただきましたサポートは、書籍購入及び地元での取材費に充てさせていただいております。 皆様のご厚情に感謝するとともに、さらに精進していく所存でございます。