気まぐれ創作裏話⑫~満江紅
「鬼と天狗」の「終焉(5)」で鳴海に詠じさせた、満江紅。
今回、天狗党(というか大発勢)の悲運に思いを馳せ、暗に諸生党の市川三左衛門への批判の意味も込めて、鳴海に詠ませてみました。
バリバリの武闘派のイメージが強い鳴海ですが(苦笑)、普通に執政(家老)も輩出する家柄ですから、多分公文書である漢文などの教養も身に付けていただろう……ということで、選んでみたわけです。
ちなみに今回取り上げた岳飛の「満江紅」は、中国で「マンジャンホン」として有名な憂国の詩だそう。
一応世界史選択だったので、岳飛は知っていましたが、この詩は今回それっぽい漢詩を探していて、初めて知った次第です。
意味は、こんな感じとのこと。
大発勢のリーダーだった松平頼徳(大炊頭)や、どちらかと言えば激派の暴発を抑える役回りだった武田耕雲斎(伊賀守)は、いずれも処刑されました。
彼らに捧げるとしたら、この詩がぴったりかなあ……と感じて、鳴海に詠じさせてみた次第です。
国のために一身を捧げてきたのに、その歳月が虚しく感じられるような、権謀術数。そんな思いで、彼らは最期を迎えたのではないでしょうか。
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