インナーマッスルが関節を安定させる理由について
筋肉には外側についているアウターマッスルと関節に近い位置についているインナーマッスルがあるのはご存知の通りだと思います。
インナーマッスル(深層筋)はアウターマッスル(表層筋)を補助し、決して大きな力を発揮するための筋肉ではありませんが、関節の安定・姿勢の維持・内臓を支える役割を果たす重要な筋肉です。(https://www.sakaimed.co.jp/contact-us/topics/faq/ems8/)
関節を安定することができるからこそ姿勢を維持することができるわけですが、インナーマッスルが関節を安定させる原理は関節により近い位置に筋肉が付着しているからに他なりません。
お尻の筋肉を例にとるとわかりやすいです。左側がアウターマッスルである大臀筋、右側がインナーマッスルである外旋六筋です。股関節伸展位で外旋する作用がある六つの筋肉の総称ですね。
股関節を外旋する時にはこんな感じで作用します。
筋肉が収縮すると付着部同士が近くなります。大臀筋で言えば股関節の外旋+伸展の作用が働くわけです。
本来であれば臼蓋上を大腿骨頭が転がることで、股関節の外旋運動がスムーズに行われるわけですが、アウターとインナーのバランスが崩れてしまうと外旋方向に制限がかかってしまいます。
この原理としては関節に対して筋肉の付着部が遠くなるほど、てこの原理の影響で関節に余計な力がかかってしまうから(青の矢印)です。
ただし大腿骨には脱臼しないように強靭な靭帯が巻きついているため、前方にずれることはありません。
どちらかというと骨頭の後方部で引っかかってしまい転がることを阻害されます(下の図)。
それに対してインナーマッスルは筋肉の付着部が関節に近いので、関節をはめ込むような作用を生み出します。ここで言えば、大腿骨頭が臼蓋にはまり込むような感じです。
これがインナーマッスルによる関節の安定性の原理です。
ケガなどや生活習慣などでアウターマッスルばかり使う癖がついてしまうと、知らず知らずのうちに動きの制限が出てしまいます。
大きな力をだす前に、まずは関節の安定性を高める個別のトレーニングも意識して行うと、より少ないエネルギーで大きな力を出せるようになります。