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2015年から4年間在籍した、老舗デジマ代理店「ネットイヤーグループ」で学んだこと

ネットイヤーグループを卒業してから、1年が経ちました。退職時は何かと忙しく、退職エントリーを書いていなかったので、1年の節目に感謝の気持ちを込めて、ネットイヤーグループで学んだことをまとめます。(今更感は満載ですが、お付き合いください!)

ネットイヤーグループを知ったきっかけ

私は元々、某代理店アンダーの制作会社でアートディレクター/UIデザイナーをしていました。当時のWeb/アプリ制作の現場はまだまだ開発の進め方が体系化されておらず、マス媒体の添え物としての企画レベルで、UXや技術的な部分のリテラシーがない営業マンが作った構成が送られてきて開発がはじまる場合が多かったです。それでは、ユーザー側にも開発者側にも納得できるものができないと考えるようになり、企画・UXから携わる必要性を強く感じて、UX関連で情報収集をしていた時にネットイヤーグループの存在を知りました。

そして、複数社の面接・内定を経てネットイヤーグループを選びました。選んだ理由は、面接でお会いした上長・部長の方々の知識レベルがとても高く、学びが多い日々を過ごすことができると確信したからです。また、面接で目指すべきキャリアパスや成長イメージを明確に語ってくださったのも、ネットイヤーグループのマネージャー陣だけでした。とてもありがたく感じたことをよく覚えています。

1年目、先輩をお手本にIA/UX業務に従事。

入社1年目、UXデザインプロセスの研修を経て、UXデザイナー/IAの先輩について様々な大規模プロジェクトを経験させていただきました。元々、デザインしかしてこなかった私は、先輩のUXデザイン・情報設計のロジカルさや緻密さに毎日感動・尊敬をしていました。業界で著名な方(坂本さん)が近くにいたことも良い刺激になりました。また、提案資料やプロジェクト資料の作成、クライアントへのプレゼンテーションもはじめて体験しながら覚えていきました。(初めて客先提案する時は先輩相手に練習をさせてもらい、緊張しすぎて吐きそうになっていました)

1年目の学びポイント

・プロジェクトマネジメント、UXデザインには型があり、まずは理解し運用すること

・プロジェクトのコミットしたら、まずRFPや提案書を読み込み「与件の整理」を行い、与件に対して必要となるタスクやタスクにかかる工数を洗い出すこと

・ターゲット別にニーズ調査を行なって、ニーズをKJ法でカテゴライズし、優先度付したものをUIにエリア定義として落とすこと

・設計に入る前段階には、現状サイトのサイトストラクチャを策定し、現状サイトの構造や構造上の課題を把握すること

・クライアントや開発者内で一人歩きしても機能するような資料を作成する。特に変更管理は徹底すること

経験した主なプロジェクト

交通インフラ系、保険系、自治体系…etc

業務外では…

入社の自己紹介を兼ねて、自主課題としてこんな資料を作りました…。(オノ・ヨーコとUX、エイリアンのUXを考えてツール企画)かなり気合を入れて作成しプレゼンテーションしたのですが、その時にメンターをしてくれていた先輩が笑ってくれて嬉しかったです。(メンターの先輩は本当に乗せ上手、褒め上手で、自分がマネジメントをする時のお手本な存在です)

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また、社内の勉強会が定期的に開催されており、自分自身もファシリテーターとしてたくさんのワークショップの訓練をさせていただきました。下記は私が企画した勉強会の資料です。(企画するのが楽しくて残業して作っていました…)

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2年目、大規模案件で独り立ち。社内外へのPRを始める。

2年目からは独り立ちし、IA/UXデザイナーとして大規模案件にどんどんアサインしていただき、とにかくがむしゃらに食らいつきました。本当に上司に恵まれており、自分がやりたい領域の大規模なプロジェクトにアサインいただくことが多かったです。でも、まだ社内メンバーすべてに顔と名前も覚えてもらっておらず、未熟だと感じられて任せてもらえないことも多かったです。そこを突破するために個人的に作った企画書を作成して初めて一緒に仕事をするメンバーに送ったり、外部のアイデアソンで学んでいる姿をSNSを通して発信したりするようになりました。

2年目の学びポイント

・徹底したリサーチを行なってからのカスタマージャーニーマップを作成すること

・有効性が高いと感じるプロセスを自らクライアントに提案すること

・自分のやりたいこと、ビジョン、スキルを知ってもらうために、社内外へ向けた定期的な自己PRをすること

・定期的に上司にもやりたい仕事をアピールし、評価面談では成果物を通してプレゼンテーションすること

・業界の知人を増やすことは自分の武器になること

経験した主なプロジェクト

交通インフラ系、自治体系、旅行系…etc

業務外では…

社外のイベントに行って勉強するのが日課に。社外イベントで知り合った他社の方とSNSを交換して情報収集したり、得た知見をプロジェクトで取り入れたりと、自分なりのサイクルが回り始めました。また、同じUXチームのメンバーとアイデアソンに参加して受賞をすることができました。(もちろん、社内ポータルサイトにレポートを書いてアピールしました♡)

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3年目、提案の勝率が上がり、プレイングマネージャーに。

3年目からは、周りの方々のサポートと自らの根性のおかげか、クライアントや社内メンバーから評価をいただいたり、コンペが受注することが増えていきました。また、一緒に動いて相性が良いメンバーができて、仕事がとても楽しくなってきました。ちょっと調子に乗り始め「自分が入ったコンペの受注率高いんじゃないか?」と思ったりしていました。(今思うと完全に勘違い&若気の至りです。すみません)段々とプレイングマネージャーのような動き方をするようになって、自分よりも若いメンバーをディレクションしながら、リサーチから開発まで携わるようになりました。また、社内標準のUXプロセスの型をより良いものへ改善しながら動き始めたのもこの頃です。

3年目の学びポイント

・プロセスを自ら改善し、最も有効性が高いと感じるプロセスを提案すること

・クライアントのプレゼンテーションには専門家として信頼してもらえるように振る舞う

・クライアントから与えられた課題を様々な側面から検討して、自ら再提案を行うよう誰よりも能動的に動くこと

・あるべきUXを実現させるためには、リサーチから開発まで一貫してディレクションをする必要性があること。また、そのようにプロジェクトにコミットすること

経験した主なプロジェクト

交通インフラ系、宿泊施設チェーン系、旅行系…etc

業務外では…

会社での仕事は充実していましたが、実業務でできない領域のサービスデザインや広告のデザインなどの力試しをしたくなり、数々のアイデアソンやコンペに応募しました。この頃は若かったのか、仕事が終わって家に帰ると徹夜で企画書を書いていました。そして、根性的ながんばりの結果、ANAのクリエイティブアワードで宣伝会議の広告アワードで受賞することができました。たくさん作った企画書の1部を抜粋します。(1番力を入れた企画書は受賞を逃しました‥)

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4年目、大規模サイトの構築やプロジェクトマネジメント、社外活動を精力的に楽しむ。

超大規模サイトの構築にUXディレクターとして携わり、その後提案したプロジェクトが受注し、プロジェクトマネージャーを務め、取締役と一緒にワークショップをさせてもらったりと、とても忙しい4年目でした。(途中から記憶がありません…)ここまでの規模のプロジェクトを任せてもらえる機会はなかなかないだろうなと思うこともあり、とてもやり甲斐がありました。毎週のクライアントの定例に合わせて、アウトプットを作るサイクルが1年以上まわっており、次から次へと課題を処理していきました。以前から思い描いていた「プロジェクトにデザインスプリント」と「チームに心理的安全性を組み込んだマネジメント」を意識してプロジェクトを進行していました。常に自分が成長している感覚があり、信頼のおけるメンバーと良いものを提案するという高いモチベーションで走り切ることができました。

4年目の学びポイント

・常にプロセスも自分の仕事も改善し、より良いものを目指すこと

・クライアントとのコミュニケーションは政治的な要素が多く、一筋縄ではいかない。その中でどのような立場を求められているか考えること(踏み込みすぎることを求められいない場合は逆効果)

・仕事を依頼する相手は気持ちよく働いてもらってこそ、成果が出るということ

・プロセスに縛られず、柔軟に動き、成果に対してコミットすること

経験した主なプロジェクト

宿泊施設チェーン系、物流系、通信系…etc

業務外では…

この頃、社外活動では、様々なセミナーでの「グラフィックレコーディング」や社団法人PLAYERSでの「サービス開発」、セミナーでの登壇活動を行なっていました。正直、本業が忙しく、準備する時間があまりとれなかったりしていましたが、「誰とでも、どんな状況でもやれる!」そういう場数をどんどん踏んで行くことにやり甲斐を感じていました。下記は、その頃に撮影した写真です。

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ネットイヤーグループで学んだこと

4年間を1年ずつ振り返り、ここまでで何だか膨大な量になってしまいましたが、まとめとして、ネットイヤーグループで身に付いたスキルを列挙します。

プロジェクトマネジメント(UXデザインプロセスを基にしたプロジェクトプランの立案、クライアントとの均衡、品質管理など)、プレゼンテーション、リサーチ(ヒューリスティック評価、競合調査、ユーザーインタビュー、ユーザーテスト)、ユーザー体験設計(ユーザー定義、ペルソナ、カスタマージャーニーマップ、ユーザーシナリオ、コンセプト定義)、概要設計(サイトストラクチャ、画面遷移図、コンテンツプランニング、アクセシビリティ対応)、UI設計(ワイヤーフレーム、プロトタイピング)、アートディレクション、ビジュアルデザイン、意見集約・議論の可視化(ワークショップファシリテーション、グラフィックレコーディング)

上記の通り、自分のキャリアの骨格となる様々なスキルを身につけることができました。組織の「先輩と後輩の数」、働き方としての「理論と実践の場数」「内部稼働と外部活動のサイクル」がちょうど良いバランスでまわっていたからこそできたからこそ得ることができたのだと思っています。

ここを出て、転職しようと思ったきっかけ

ハードでプレッシャーのあるプロジェクトも多かったですが、とてもやり甲斐があり、周りの人たちにも恵まれた日々でした。私は自分の目標達成のためにキャリアを重ねていくタイプなので、4年間で精一杯取り組んでスキルと経験を得ることができたので、次は事業会社に入って、更に踏み込んだ形のUXを行いたいと考えるようになりました。そして、今は事業会社に転職して日々精進しています。

ネットイヤーグループへの感謝

自分のスキルの骨組みを築いてもらい、自分の人生の中でも、おそらく最も仕事へ前向きな時期だった20代の半ば〜後半までを過ごさせてもらった特別な会社です。毎日忙しかったけど、良い同僚たちに恵まれて、全力で駆け抜けました。

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卒業1年の節目に、ここで学んだスキルをこれからも活かし、更に飛躍していこうとの決意も含めて、改めてこのような形でまとめました。

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本当にありがとうございました。

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