【コラム】マナーポリスにはなりたくない!
「CA出身の研修講師」と自己紹介すると、「マナーの先生?」と仰ってくれる方が多くいます。
CAという職業を経験すると、立ち居振る舞いや第一印象、コミュニケーションスキルといった、最低限ビジネスシーンで必要な能力は備わるので、退職後に「マナー講師」という道に進まれる方も多くいらっしゃいます。
皆さんは、「ビジネスマナー」をどのように捉えていますか?
「ビジネスマナーは仕事をする上で必要!」とか、
「最低限身につけるべきもの!」という言葉も聞こえてきそうですし、
一方では、
「細かいマナーが多くてめんどくさい!」とか、
「そもそも今の時代に合わない!」という意見もあるかも知れませんね。
私は「ビジネスマナー」を研修の一環で取り扱うこともある為、ある意味
ドライな捉え方をしています。
日本社会で仕事をする上では、マナーが備わっている方が断然、メリットが多くあると考えています。
簡単にいうと、仕事に繋がる可能性が高まるのです。
ビジネスシーンで私が最も恐れていること。
それは、自分の知らないところで、「〇〇さんって全然分かってないんだね」と言われ、そのまま切り捨てられることです。
そう。
なかなか正直に、面と向かって「この対応は間違ってるよ」とは言ってもらえないのです。
例えば名刺交換。
どちらから先にご挨拶を切り出すか?
どのようにお名刺を受け取り、お名前を確認するのか?
電話応対。
お相手の話が聞き取れず、もう一度お話願いたい時に、何というのか?
呼び出し人が不在の時は?
ビジネスメール。
件名はなぜ必要?返信の時は?
一つ一つは取るに足らないことかも知れません。
何も思われずに済む場合も多くあるでしょう。
けれど、
「もしかしたら担当さん、全然分かってない人なのかもね〜」と、
唯一疑問を感じられた方が、その仕事の決定権を持つ方だったら?
きっとその仕事は流れてしまいます。
マナーさえ出来ていたら仕事が取れるのか?
それも違うと思います。
けれど、マナーがなくて仕事が取れないことがあるのか?
それはあると思います。
もちろん、カリスマ的な仕事の能力があり、少し不躾でもその商品価値が高い場合には、マナーは必要ないのかも知れません。
けれど…私も含めて、大抵は「並」の人の集まりで組織は成り立っていますよね?
その場合には、マナー不足がリスクになると実感します。
知ってるか・知らないか?
知ってても、使えるか・使えないか?
シンプルにその違いだけ。
知らないのであれば、知ればいい。
知ってても使えないのであれば、行動変容に特化したプログラムを受けたらいい。
解決方法は、至ってシンプル。
だからこそ、「マナーポリス」のような見方にも違和感を感じます。
少しだけ感情論的解釈を言うと、
「マナー」とは自分以外のヒト・モノ・空間・環境…すべてに対して、快く、「大切にされている」と感じられる対応を意味すると、私は説明をしています。
つまり、マナーをする側も・受ける側も、相手や周囲が「快くなる」対応が必要です。
「マナーポリス」のように、相手の粗を見つけて指摘するだけの対応は、
それとは反しますよね。
もちろん、SNSやTV番組で見るようなものは、エンターテイメントの一環なのでしょうが…
本当に相手のことを思うのであれば、教えてあげれば済む話。
「こんな時は、こんな風にするともっと丁寧な気持ちが表現できますよ!」とかね。
以前のコラムにも書きましたが…
タクシーの席次&ハイコンテクストな会話の解釈を誤った新人時代。
「髙橋ちゃんて、タクシーの乗り方知らないの?」と言われてしまった過去が、ある意味トラウマ化してます😅笑
シンプルに、恥ずかしい感情だけが残っているのです。
恥ずかしいと言う感情は、案外その気持ちは長引き、加えて行動の抑止にも繋がってしまいます。
新人・若手社員を本当に「動ける」人材にするには、不安要素を予め取り除いて差し上げることが大切かも知れませんね!
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