ドブ川に風情
急勾配に息があがる
少しペースを上げて
夜の繁華街を抜ける
歩道橋を渡るその瞬間
肺いっぱいに取り込む空気が
鼻をついてむせかえる
それは春のいぶきでも 秋の金木犀でもない
吐き気をもよおすドブ川のにおいと
それを誤魔化す塩素のにおい
黒く濁った水から立ち込める臭気はいつも
私が東京に生きてることを自覚させる
ここを通るたび試されてるような気になるのだ
ドブ川から風情を
ゴミ箱から宝物を
排水溝からユーモアを
探せるだろうか
見い出せるだろうか
私はまだ 大丈夫だろうか
ネオンに翳る段ボールを他所目に走る
綺麗なものを綺麗と思えた自分を褒める
東京はそういう街
そんな東京が私は好き
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