クリスタルパレス展@国立国際美術館

国立国際美術館で梅津庸一さんの「クリスタルパレス展」が開催されていた。
「この国で美術家として生きることはいかにして可能なのか」という問いに惹かれて覗いてきた。

暑かった。

地下の会場へ向かうと、通常の企画展とは違った順路で開催されていた。

一体これは?

実はこの会場には、ヴィジュアル系バンドDIAURAとのコラボレーション楽曲「unknown teller」が延々と流れ続けているのだ。

僕はある展示室に足を踏み入れた瞬間に、壁を隔てて流れてくる「unknown teller」を聞いて、初めてジャンカラに足を踏み入れたときの気分になった。
なぜだかはわからない。
壁を隔てて流れてくるくぐもった音楽が、中学生の時に初めて体験したカラオケを思い起こさせたのだ。
ここには遠い青春時代の記憶を思い起こさせる仕掛けがあるのかもしれない。
これが意図した芸術なら…すごい!

展示されている作品はというと、ここはデュシャンの言葉を借りたい。
つまり、

「言葉なんかに何が証明できるのでしょう?」

マルセル・デュシャン
アフタヌーンインタビューズより

そして、

「気に入らないんなら背を向ければいい、だけど、わざわざ文章に書いたり考えをめぐらせたりするのはおよしなさい。」

マルセル・デュシャン
アフタヌーンインタビューズより

ちょっと書いてしまったけど、僕は背を向けずに最後まで鑑賞して会場をあとにしたのだ。

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