ことのは🍁哲学エンドユーザー

日常で役立つ哲学的な視点や思考法を発信しています。 情報に流されず、自分の力で考えるためのヒントを、 気軽に取り入れられる形でお届けします。

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雨を降らせているのは何?

これは僕が尊敬する師が 教えてくれたエピソードです。 その方はカトリックの神父さん。 なので、 以降「神父さん」と呼びます。 ・ ・ ・ ある寒い冬の日、神父さんが 幼稚園に訪問し、 子どもたちに講話をされたそうです。 講話というよりも 子どもとのふれあいの中で、 質問(や野次)に答えながら 楽しくいろんな話をされていたようでした。 あれこれ話をする中で、 年長さんでしょうか。 ある子どもが質問を神父さんに質問をしました。 「なんで勉強をしないといけないの?」

    • 芸人に学ぶ「仁(にん)」の哲学

      ※この文章は 約1500文字 なので、 約4分 程度で読めます。 1. 「仁」とは何か芸人の間で使われる「仁(にん)」という言葉をご存じでしょうか? 「仁」は芸人としての魅力や人間性のことを指し、場を支配するカリスマ性や、人間的な深みからくる信頼感までを含む奥深い概念です。お笑いのスキルや技術だけではなく、その人が持つ空気感や生き方そのものが「仁」を形作ります。 例えば、漫才の間やトークのちょっとした仕草で「この人だから笑える」と感じさせる力。それが「仁」の現れです。この

      • HPもMPも回復する休み方

        ※この文章は約 1500文字 なので、約 3分 で読めます。 HPとMPを同時に回復する休息法 「疲れた時、あなたはどんな休息を取りますか?ソファに横になって映画を観る?それとも近所を散歩してリフレッシュする?」 実は、休息には「HPを回復する方法」と「MPを回復する方法」の2種類があります。このHPとMPという概念を使うと、どんな休息が自分に必要なのかをわかりやすく考えられるのです。 RPGゲームを思い出してみてください。焚き火の前で仲間と休むとHP(体力)は回復しま

        • これからの知性=引用力

          ※この文章は 約450文字 なので、 約2分程度で読めます。 現代は「情報社会」と呼ばれ、膨大な情報があふれる時代です。インターネットを開けば、すぐに答えが見つかり、さまざまな知識が手軽に手に入ります。しかし、その反面、情報を使いこなす能力が求められています。どの情報が本当に価値があるのか、どのように活用すればいいのかを見極める力が重要です。 デジタル社会は情報が溢れていて、コピーも容易だからこそ、オリジナリティや差別化は欠かせない。だからオリジナリティを追求するという流

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        • 友達以上/哲学未満
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          守破離を現代に活かす

          ※この文章は約650文字なので、約2分程度で読めます。 守破離の本質と現代的意義守破離は、茶道や武道といった日本の伝統文化に深く根ざした学びのプロセスで、「守」=基本を守る、「破」=型を破る、「離」=独自の境地を開く、という3つの段階を示しています。これらは単なる過去の遺産ではなく、現代における自己成長やスキル習得、さらには社会の中での自己表現においても重要なフレームワークです。 しかし、現代では守破離のバランスが崩れがちです。特に、「守」が軽視される一方で、オリジナリテ

          なぜ哲学と自己啓発は別々に語られるのか〜哲学的自己啓発のすゝめ〜

          ※この文章は約2100文字で、6〜7分程度で読めます。 哲学vs.自己啓発 なぜ「哲学」と「自己啓発」は、これほどまでに別々のものとして扱われるのでしょうか?そこには、互いに対するある種の「軽視」の構造が存在するように思われます。 自己啓発の世界では、しばしば「具体的で即効性のあるスキル」が重視されます。目標設定、時間管理、コミュニケーションスキルなど、すぐに実践できて効果が目に見えるものが求められる傾向にあります。そのため、抽象的で答えの出にくい哲学は、「役に立たない

          なぜ哲学と自己啓発は別々に語られるのか〜哲学的自己啓発のすゝめ〜

          【脱出無精】休日は予定を1個だけ入れてみる

          ※この文章は約1,527文字なので約4分で読めます。 ダラダラしてしまう休日に後悔しないためのシンプルな方法 休日、何も予定を入れずにリラックスしようと思ったのに、結局一日中ダラダラ過ごしてしまい、終わった後に「何か一つでも動いておけばよかった」と後悔した経験はありませんか?僕はしょっちゅうあります(笑)。 もちろん、引きこもって好きなことをして過ごすのも大事な休息です。でも、どうしても何か「できたはずなのに」と思ってしまうんですよね。かといって、休みの日にまできっちり

          【脱出無精】休日は予定を1個だけ入れてみる

          あえて自ら「不快」を日常に取り入れる

          ※この文章は約2700字で、約5分で読めます。 ドーパミンとは ドーパミンは、快楽そのものによって分泌されるのではなく、快楽が得られるという「予測と期待」によって分泌されます。例えば、旅行に行く計画を立てている時、まだ見ぬ景色や体験への期待感でワクワクしますよね。あるいは、恋愛で相手に想いを寄せている時、両想いになれるかもしれないという期待感で胸が高鳴ります。これらの高揚感は、ドーパミンが分泌されている証拠です。しかし、実際に旅行に行ってみると、計画段階ほどではなかった、

          あえて自ら「不快」を日常に取り入れる

          「を止め」は本当に必要?表現の適切さを見極めよう

          「を止め」の効果と正しい使い方「を止め」とは、「~を」で文を終わらせる表現技法で、特定の対象に意識を集中させる効果があります。たとえば、「社会に変革を」「未来に希望を」といったキャッチコピーでは、次に続く言葉をあえて省略することで、メッセージにインパクトと余韻を与えています。このように、読者に何かを期待させたり、想像を引き出したりする効果を持つのが「を止め」の魅力です。 「を止め」が効果的でないケース一方で、「を止め」が適切でないケースもあります。例えば「今日は若者向けのセ

          「を止め」は本当に必要?表現の適切さを見極めよう

          「エンテレケイア」可能性を現実に変える力

          エンテレケイアとは?目的と成長の原理 エンテレケイアは、古代ギリシアの哲学者アリストテレスが考えた「内なる力」です。私たちは誰しも、何かしらの「可能性」を秘めていますよね。でも、それが実際に形になるのはどうしてでしょう?例えば、花の種が花に、子供が大人に成長するように、どんな存在も「完成形」へと進むための力を持っている。これがエンテレケイアの根本的な意味なんです。 エンテレケイアの成り立ち アリストテレスが使ったエンテレケイアは、「エン」(内に)、「テロス」(目的)、「

          「エンテレケイア」可能性を現実に変える力

          AIで哲学するのが簡単かつ効果的な理由

          哲学の本質は「答え」ではなく「問い」にある哲学の営みの中心は、何かを「答えること」ではなく「問い続けること」にあります。私たちは「正解」を見つけることよりも、むしろ「なぜ」「どうして」を突き詰め、絶え間なく疑問を投げかけることで思考を深めるのです。この観点で見ると、AIとの対話には意外にも哲学的な可能性が秘められています。 問う形に特化したチャット型AIとの相性の良さチャット型AIを使う際、私たちは自然と「問いを投げかける」形でやり取りを進めます。これは、AIの使い方がそも

          AIで哲学するのが簡単かつ効果的な理由

          「気遣い力」をつけるなら感謝から

          ※この文章は約1200文字程度で、約3分で読めます。 気遣いに気づけることが大切私たちは日々、知らぬ間に誰かの気遣いを受け取っていますが、その「気遣い」に気づけるかどうかで大きな違いが生まれます。気遣いができるようになるためには、まず自分が受け取っている気遣いに気づくことが必要です。気づければ、今度はその気遣いを返してみようという気持ちが芽生え、少しずつ気遣いができる人へと成長していきます。 例えば、友人や同僚と会食をするときに、誰かが進んで店の候補をリストアップし、アク

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          「努力」と「effort」の違い

          ※この文章の文字数は約2,600文字で、読むのにおおよそ6分程度かかります。 努力の語源と翻訳の成り立ち まず、「努力」という言葉の成り立ちについて振り返ります。「努力」は、明治時代に英語の「effort」が翻訳されてできた言葉です。もともと「effort」という単語は、ラテン語の「exfortare」に由来します。これは「ex-」(外へ)と「fortis」(強い)から成る言葉で、「外に向かって強く力を発揮する」というニュアンスを含んでいました。この「effort」がフラ

          【怒られる勇気】怒られる人はうまくいく

          ※この文章は約2,500文字で、おおよそ5分程度で読める内容です 1. 人はなぜ怒られたくないのか誰しも怒られたい人はいません。怒られることは多くの人にとって苦痛であり、できれば避けたいと感じるものです。怒られることに対する抵抗感にはいくつかの理由があります。例えば、怒られることで自分の価値や能力が否定されたように感じ、自己評価が下がってしまうことが挙げられます。私たちは無意識のうちに他者からの評価を求めており、そのため批判や怒りを受けると、自分の存在自体が否定されたように

          【怒られる勇気】怒られる人はうまくいく

          【読書術】要約はけっきょく、素読に劣る

          ※この文章は約2,000文字で、約5分で読めます。 内的モチベーション vs 外的モチベーションによる読書 まず、読書に取り組む際のモチベーションには大きく二種類のタイプがあり、それぞれが読書体験や継続性に異なる影響を与えます。一つ目は「内的モチベーション」に基づくもので、これは純粋に本を読む過程そのものを楽しみ、内容に対して好奇心を持って向き合う読書スタイルです。このタイプの読書では、「読むこと自体」が喜びとなり、結果や効率ではなく、プロセスに重きを置きます。読書に没頭

          【読書術】要約はけっきょく、素読に劣る

          なぜ哲学用語は堅苦しいものが採用されるのか

          ※この文章は約1100文字なので、約3分で読めます。 哲学用語の「堅さ」と情報圧縮の意義 哲学用語はしばしば「難解」や「堅苦しい」と感じられますが、これは単に理解しづらいだけではなく、情報処理的な観点から「情報の圧縮」を実現するための工夫でもあります。哲学的な概念は抽象度が高く、多層的で複雑なものです。そのため、こうした情報を一つの言葉や短いフレーズに圧縮して扱えるようにすることで、思考や議論の効率が格段に上がります。 堅苦しい言葉がもたらす「固有の概念感」 もし哲学

          なぜ哲学用語は堅苦しいものが採用されるのか