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毎週日曜日、私は焼き目のつかないパンを食べる。

日曜日。
真っ白な食パンと、クリスマス会で友達がくれたお気に入りのマグカップに紅茶を入れる所から私の1日が始まる。

…オシャレな朝…と思われるかもしれないが、時刻は既に12時半。
窓の外からは子供達が鬼滅ごっこをしている声がする。私も仲間に入れてください。
今年こそは出不精を卒業したいと思っていたが
どうやら今年も留年確定のようだ。

私は根っからのご飯派だ。
ご飯を食べないと生きていけないほどご飯が大好きだ。


けれど毎週日曜日、私は食パンを食べる。



うちのトースターは焼き目がつかない。
何年か前に友人から頂いたカタログギフトで我が家にやってきたトースター。
これが、全くもって焼き目がつかない問題児だった。
2分焼いて、さらに3分追加してみたが結果としてパンが硬くなっただけだった。

最初はまだ我が家に慣れていないんだなぁ、緊張してるよねと思い、気長に待っていた。
しかし待てど暮らせど一向にパンを日焼けさせてはくれなかった。
そのうち家族は諦めてフライパンで焼くようになった。
父はジャムをつけて食べるようになった。焼くという手段から変更したようだ。

さらに最近、このトースターに新たな危機が迫っている。父が仕事の関係でカタログギフトを頂いて帰ってきたのだ。これはまずいぞ。
「トースター変えるか?」という言葉が来ることに私は内心ヒヤヒヤしている。よし、早急に肉を推していこう。父よ、私は肉がいいと思います。

家族がトースターを使わなくなっても、相変わらず焼き目のつかないトースターに文句を言っても。

それでも私はこのトースターを使い続けていきたい。
いつか、いい焼き色をつけてくれるのではないか、「おぉ!」と言わせることができるのではないか。そうしたらちょっとだけ焦がしてやろうな。
そんな日が来ることに私は密かにワクワクしている。


だから今日も私は焼き目のつかない食パンにマーガリンを塗って食べる。

ごちそうさま。

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