放置竹林を減らせるお勧めの本「農家が教える竹やぶ減らし」後編
放置竹林の問題というのは、近年国も力を入れてきてはいますが、自分の家に竹林があるとか、隣の家の竹林が迫っているという状況の方でないとあまりぴんと来ないかもしれません。
こんな方法で竹林を生かせている!という知恵をたくさんの方達と共有出来たらいいのにと思っています。
noteならそれが可能かもしれませんね。
それでは前回の記事の続きを。
竹パウダー
福岡のミカン農家さん。
以前は高糖度のミカンを作るため、樹に負担がかかる方法を取っていたそう。
今は「ボカシ」を使用する方法にしているそうです。
「ボカシ」とは、米ぬかや油かす、魚粉など有機質肥料を微生物により分解・発酵させてつくる肥料のこと。
しかし飼料の高騰で米ぬかなどが手に入らなくなってきたそうです。
そこで竹パウダーの出番。
竹パウダーというのは、竹を粉砕機で細かく砕いたもの。
生のままで使ったり「ボカシ」にして使用したりします。
これをミカンの樹の根元や周りに撒くのです。
するととても甘いミカンが出来るそうです。
ミカン狩りに来られる方が「ミカンがこんなに美味しいとは思わなかった。」と喜んでおられたようですよ。
嬉しいことに竹は切っても切ってもなくならないので、竹パウダーが枯渇することはないと思われます。
これでコストを大幅に抑えることが出来ますね。
近頃はコンパクトな粉砕機もありますし、行政や企業などで貸してくれるところもあるようです。
燃料
和歌山県のパン屋さん。
パンを焼く窯を耐火れんがですべて手作り。
10年間、山の材木の切り出し現場で捨てられる杉やヒノキをもらって燃料にしてきました。生木は持ち帰って、割って、干して…。
使えるようになるまでには時間と労力がかかるようになってきました。
そこで友達が教えてくれた竹を試してみることに。
使い初めは戸惑う事もあったようです。
燃え始めると急速に燃え広がり、さっと火が終わってしまうという燃え方。使い方には工夫が必要だそうですが、パン焼きの燃料には適しているとのこと。この特徴を生かしてパンやピザを焼いておられるそうです。
この方法も竹を使うので、燃料費は一切かかりません。
竹林を持つ地主さんに声をかけ、竹を切らせてもらっているとか。
山はすっきりするし、「あなたのおかげでタケノコが採れるようになった!」と感謝されているそうです。
竹を薪に使うにはコツがいるようです。
一気に沸騰するので、蕎麦やもちを蒸すのにもってこいなんだそうですが、半割りか四つ割りにして乾かしたものを使用しないと、爆発して、窯にも心臓にも悪いそうです。
お気を付けて。
竹林整備は個人だけでは難しい問題かもしれませんが、周りの協力を得ながら、少しづつ解決していけたらと思います。
団体だと交付金が出たりすることもあるようなので、上手に活用したいですね。
竹林に頭を抱えている方、応援してます!
「農家が教える竹やぶ減らし」
ーかしこく切って、じゃんじゃん活用ー 農文協編
以上竹の本の紹介でした。
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