中学受験 時事問題の最重要POINT②
前回の記事で詳しくお話ししましたが、近年の中学入試において、「時事」に関する出題は定番になっており、例年、首都圏の約8~9割の学校で出題されています。
このように出題校が多い理由としては、時事問題は、現実の様々な問題に関心を持ち、受験生自身の頭で考えているかどうかを確認することができるからです。
今回は、2025年入試で出題が予想されるテーマについて紹介していきますので、是非学習を進めるうえで参考にしてみてください。
2025年入試で出題が予想されるテーマ
北大西洋条約機構(NATO)
北大西洋条約機構(NATO)とは、ヨーロッパ諸国とアメリカ、カナダによる軍事同盟です。
加盟国に対する攻撃があった場合には、その攻撃を同盟全体への攻撃とみなして、攻撃された国を同盟国が援助する体制を築いています。
これを集団的自衛権といいます。
北ヨーロッパのフィンランドとスウェーデンがNATOへの加盟を申請していました。そして、2023年にはフィンランド、そして2024年3月にはスウェーデンの加盟が実現し、加盟国は32か国となりました。
東京都知事選挙で小池百合子氏が当選
東京都知事選挙では、蓮舫氏をはじめ、過去最多の56人が立候補しましたが、現職の小池百合子氏が3選を果たしました。
今回の投票率は60.62%で前回を上回り、平成以降では2番目に高くなりました。また、今回の東京都知事選挙では、選挙ポスターの内容なども話題となりましたが、選挙の方法や選挙運動のルールを規定した法律が公職選挙法です。
都道府県知事の被選挙権が30歳以上という点も是非押さえておいてください!
出生数が過去最少を記録
厚生労働省の発表によると、2023年の出生数は、72万7277人で過去最少となりました。
1人の女性が一生のうちに産む子どもの数の指標である合計特殊出生率は1.20で8年連続の低下となり、過去最低を更新。
合計特殊出生率が最も高かったのは沖縄県であり、最も低かったのは東京都です。
結婚の件数も約47万組となり、戦後、最も少なくなりました。
また、高齢化も確実に進んでおり、75歳以上の後期高齢者が2000万人を突破しました。
高齢化率は29.3%(2024年9月時点)で、2070年には38.7%に達する見込みです。
北陸新幹線の開通
北陸新幹線の金沢駅(石川県)から敦賀(福井県)が開通。
※福井県は、これまで北陸地方で唯一新幹線が通っていませんでした。
北陸新幹線は、今後、最終的には新大阪駅まで延伸予定です。
福井県の名所・産物もチェックです!
・東尋坊
・永平寺
・恐竜博物館
・越前和紙
・眼鏡
2024年の猛暑
福岡県太宰府市では、7月19日〜8月27日まで40日連続で最高気温が35℃以上の猛暑日となり、年間では62日といずれも国内の歴代最高を更新しました。
また、2024年4月から、「熱中症特別警戒アラート」の運用が始まりました。この熱中症特別警戒アラートは、気温が特に著しく高くなることにより熱中症による重大な健康被害が生ずるおそれのある場合に発表されます。
2024年は、地球沸騰化と言われた2023年を超える暑さとなりました。
この猛暑の原因ですが、偏西風が北へ蛇行したため、西日本を中心に高気圧に覆われ続けたこと。そして、太平洋高気圧が西日本に向かって強く張りだしたことが原因として挙げられます。
また、長期的な地球温暖化に加え、春まで続いたエルニーニョ現象で平年より気温が高くなっていたことや、日本近海の海面水温が高かったことも夏に気温が上がりやすかった原因といわれています。
探査機SLIMが月面着陸に成功
2024年1月、日本の探査機「SLIM」が世界で5番目となる月面着陸に成功し、従来は数キロメートルだった目標地点との誤差を、55メートルにとどめる正確な着陸を実現しました。
また、アメリカは、NASAが人類初の月面着陸を成功させたアポロ計画以来、再び人類を月面に送る「アルテミス計画」を進めています。
2024年5月に大規模な太陽フレアが発生
「太陽フレア」と呼ばれる太陽表面での爆発現象の中でも最大クラスに分類される巨大な爆発が複数回発生しました。この影響により、日本でもオーロラが観測されました。
※「太陽フレア」のエネルギーはすさまじく、大規模な「太陽フレア」1回で、人類が使う電力の数十万年分に相当するほどです。
太陽フレアが発生すると、太陽風も強力になり、地磁気が一時的に大きく乱れる磁気嵐がおこるなど、私たちの生活に大きな影響を及ぼします。
※理科の地学分野において太陽に関する出題が増えることが予想されますので、太陽に関して改めて整理しておいてください。
2024年の台風
2024年8月には、台風5号が東北地方(岩手県)に直接上陸しました。
台風は、偏西風の影響により通常は西から東へ移動するため、東から西へ進むのは極めて珍しいケースでした。
なお、東北地方に太平洋側から上陸したのは史上3例目です。
また、2024年8月に発生した台風10号は予想外の動きをしました。
当初は、本州を直撃するものと予想されていましたが、西寄りの進路をとり、鹿児島県に上陸しました。
その理由としては、太平洋高気圧の西への張り出しが強かったこと、寒冷渦(かんれいうず)と呼ばれる低気圧の影響とみられています。
上陸後は非常に遅いスピードで進んだため、公共交通機関の運休などが長期間続きました。
また、この台風により、屋久島の推定樹齢3千年の屋久杉が倒れるなど大きな被害をもたらしました。
最後に
繰り返しになりますが、近年の中学入試において「時事」に関する問題は多くの学校で出題されています。
現実の様々な問題に興味や関心を持ち、受験生自身の頭で考えることができる受験生を求めていることが背景にあるのではないかと思います。
一方、時事問題は明確なポイントがあることが多く、学習効果が高い分野でもあります。
今後も引き続き2025年入試で出題可能性が高いポイントについて紹介していきますので、得点力アップに是非ご活用ください。