譲渡所得とゴルフ会員権の話#44
私たちが納めている税金といえば、消費税や所得税や住民税などが頭に浮かぶと思います。所得税でいうと、会社勤めなら毎月の給料から天引きされ、年末調整によって過不足が調整されていますし、消費税は買い物時に支払額に含まれているので(納税事業者が代わりに納めてくれている)、意識的に税金を納めるという行為はそう多くないのかなと思います。仕組みによって支払われているために、自ら関心を寄せるか必要性が出てこないと意識が向かないのが現状です。
今回は所得税の話です。その中でもゴルフ会員権について取り上げていきます。まず、所得税は10種類に分けられます。
利子所得
配当所得
不動産所得
事業所得
給与所得
退職所得
山林所得
譲渡所得
一時所得
雑所得
そもそも○○税とつくものってどれだけあるのでしょうか...以下は財務省のHPより。多すぎるww
ここで、一つ気になったのが今日の本題の譲渡所得です。
○譲渡所得とは
まずは譲渡所得の定義について確認します。
譲渡...土地や建物。うんうん...ゴルフ会員権?ん?となりました。この文脈でなぜゴルフ会員権?なんでかな~と全く知識がない私は思いました。
また、同じく行為自体は譲渡だとしても、どの項目でカウントするかが変わってしまうのが難しいところですね。こういう場合は譲渡所得、こういう場合は事業所得となると複雑です。
このあたりについては、慣れることと実際に自分がやってみるしかないのだろうと感じます。
○ゴルフ会員権ってどういう仕組み?
私はゴルフをまったくやったことがないので、ゴルフ会員権についての知識がありません。ゴルフ場を利用するための会員証くらいに思っていました...が、どうやらそうではなく資産価値のあるもののようです。
▽会員権の種類
会員権は3パターンに分けられます。
預託金制(全体の9割がこれ)
株主会員制
社団法人制
預託金は、ゴルフ場にお金を預ける形です。それによってゴルフ場を優先利用できるようになります。同時に、預託金の返還を求める権利も得ることができます。ただ、返還を認めるかどうかはゴルフ場側に裁量があるようで、経営難のときは手放したくないとか、破綻したら還ってこないこともあります。
株主会員は、ゴルフ場に出資をして株主となることで利用権を獲得します。上記の預託金と異なるのは、ゴルフ場の株主となるため総会への出席が可能となる他、経営に関与することができることです。
社団法人制ですが、ほとんどのゴルフ場が公益社団法人の認可を取得しており、ゴルフや体育振興を目的として設置されています。名門のコースに多いそう。社団法人ですので、会員として会費を支払うことでゴルフ場利用ができます。ただ、ほとんどの場合譲渡が難しいのが他と異なる点。公益法人ですので投機性はなさそうです。
▽譲渡(売却)
所持している会員権を手放す方法は大きく分けて2つです。一つは、会員権取引業者を介して売却する。もう一つは、ゴルフ場に直接申し出る。後者は、預託金返還が得られない場合があるとか、手続きが色々と面倒だとかあるために、前者が一般的となっています。
売却(または取得)は、たとえば以下のような団体から行うことが可能です。
売却(譲渡)後にかかる税を計算するためには、課税所得を算出する必要があります。その計算がまたややこしい。
会員権を所持していた期間(5年が境界線)によって計算方法が変わります。
・5年以下(総合課税の短期譲渡所得)
・6年以上(総合課税の長期譲渡所得)
所持している期間が6年以上だと、5年以下の場合の計算式で出された所得を半分にして課税所得とすることになります。
◎余談です
会員権購入のページを見ていて驚いた(一般的かもしれませんが)のが、名義書換費の高額さです。会員権自体は20万円とか30万円とかだったりするのですが、この名義書換費が100万円近い金額になっているものが多い。下手したら1,000万円といったケースもあるようです。法人が会員権を取得した際には、名義書換費は交際費として計上されるとのこと。会員権そのものは資産として計上されますが、仕訳が異なるので要注意ですね。
▼余談(よくあるカントリー倶楽部とは?)
ゴルフ場ってカントリー倶楽部って名称のところも結構あります。ゴルフ場なのに、何でカントリー倶楽部?とふと思いました。
意味合いとしては、カントリー倶楽部=ゴルフ場ではありません。ですが、日本ではカントリー倶楽部=ゴルフ場として伝わります。
元々は、地域にある「社交クラブ」という意味合いの言葉で、ゴルフに限らずテニスや乗馬などを楽しむものでしたが、日本ではゴルフ場に特化して定着したようです。
イギリスでは、街ごとにゴルフ場とクラブがあり、市民の交流の場となっています。また、地域の子供は無償でクラブのメンバーとして迎えられ、成人して正式にメンバーとなるまで、クラブの大人が面倒を見るんだとか。
ちなみに、アメリカではパブリックコースが圧倒的に多く、そのほとんどは「○○ゴルフコース」という名称になっています。
「○○カントリークラブ」や「○○ゴルフクラブ」という名称のコースは、プライベートコースで、メンバー以外はプレーできないのが普通なんだそうです。
日本だとゴルフをする人たちが集まる場。ゴルフそのものは知ってはいるもののプレーヤーとしてはまだまだ馴染みが薄い。イギリスのような社交場としては色んな意味で機能していないのですね。
●まとめ
複雑だった譲渡所得となるゴルフ会員権についてまとめてみました。私自身がゴルフをやる日は来ないと思うのですが、3級FP技能士の勉強を通して全体を学ぶと知らないことも多いなと気づきます。そのほとんどが知らなくても生きていくことができるもの。
ですが、知識があれば防げる事故があるのも事実。自分の身を守りつつ、誰かの事故を未然に防いだり対応策を伝えるなどの価値を生めるように学びを進めていきます。
最後までお読みいただきありがとうございました。
それではまた。ゆうちゃんでした。
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