【スタートアップ】成果(目標達成)の仕組みをサイコロで考える。
成果を早く出す為に重要なことをサイコロの確率で考えてみました。
背景として、
私は、成長の踊り場に来ている中小企業と目に見えて日々成長しているスタートアップを経験してきました。その両社では、「何が一番異なるのだろう?」ということを、私自身の実体験で一番の違いはこれなのでは?という気付きから本文を書いております。
■成果は確率の問題だということ
簡単なサイコロのゲームを考えてみます。
AさんとBさんで別々のサイコロを振り、当たりが出れば1,000円貰えて、外れが出れば100円失うという条件で、所持金1,000円をどちらが早く達成するかというゲームです。
1回の試行の期待値は
1/6×1,000円+5/6×マイナス100円≒83円
1回サイコロを振ると平均的に83円の収益があります。
1,000円の売上を達成するには
1,000円÷83円≒12回
12回サイコロを振る必要がある
1回の試行の期待値は
2/6×1,000円+4/6×マイナス100円≒266円
1,000円の売上を達成するには
1,000円÷266円≒3.7回
約4回サイコロを振る必要がある
当たりの面の多いBさんの方が当然早く、売上目標を達成できることになる。(※実際はAさんが1回目に当たりを出すこともあるが、ここでは期待値で考える。)
Aさん(12回振る)がBさん(4回振る)と同じ期間で目標を達成するには、
12回÷4回=3
3倍のスピードで早くサイコロを振れば同じ期間で目標を達成することが可能となります。
ここで重要なのは、当たり面が2倍になったからといっても、目標利益の達成で考えると同じ回数だけサイコロを振る場合、2倍ではなく、3倍早く達成するということです。(このゲームの場合)
まとめると、成果を早く出すには
■ビジネスにおいてのサイコロとは
実際のビジネスにおいて「サイコロを振る」とは、
施策を実行したり、タスクをこなすことと考えます。思考や判断や決定は、「どのサイコロを振るのか?」ということと考えます。
・当たり面が多い施策は、リターンが小さいケースが多い。
・外れた場合の損失が大きすぎるサイコロもある。
→期待値がマイナスになっていて、この場合サイコロを振らない方が良い)
・当たり面が全くないサイコロもある。
→知識があれば確実に失敗するとわかるサイコロもあるが、気づかずに振ってしまっているケースがある。(知識があればしなくてもよかった無駄な仕事をしてしまっている。)
・かなり転がすまでに時間がかかるが、リターンは小さいサイコロも存在して、別のサイコロを振った方がいいケースもある。
→サイコロを振った結果ではなく、サイコロを振ること自体にもコスト(時間・人件費)がかかっていることを理解する。
・サイコロにも大小種類がある。
→大きなサイコロだとビジネスモデル選定、業界選定、プロダクト選定のサイコロがあったり、中くらいのサイコロだと、販売戦略などのサイコロ、小さなサイコロだとお客様に送るメールや広告のサイコロなど様々で、レイヤーによって振れるサイコロの種類も異なる。
それでは組織や個人として、どのように当たり面を増やしたり、早くサイコロを振ることができるのでしょうか?
■サイコロを短期間で多く振るには?
・mtgや打合せの日程を早めに入れる
→判断の待ち時間を無くす。サイコロは思考や判断によって振られるものではなく、手を動かし施策として初めて振られるものです。考えるだけでは何も物事は動いていない。
・スキルや知識を身につける
→手元のタスクをこなす上で、スキルや知識があれば早く完了することができる。身につけよう。
・チャットやメールのレスポンスは最短を心がける
→確認待ちという状況を無くす。確認が取れるまで、手を動かせない・物事が前に進まないケースを減らす。
・やり取りのラリー回数を減らす
返信が遅い外部とのやりとりに関しては、ラリーの回数を最小限になるような連絡の仕方を心がける。
例えば、
パターンA:ラリー2回
1と2どちらですか?→2です→その場合は〇〇ですか?→そうです。
パターンB:ラリー1回
1と2どちらですか?1の場合は〇〇ですか?2の場合は〇〇ですか?→2です。そうです。
・自分でボールは持たない。(早くパスする)
→これは組織において、自分がチームに対して待ち時間を作らない為。(自分がスピードのボトルネックにならない)自分のせいで、事業の成長が遅くなっていることを認識しよう。
・期限を設定する
→仕事は必ず期限を設ける。期限がないと怠けてしまう。期限は最短に設定する。
・常に「これは最短か?」と自分やチームに問いかける
→もっと早くできないのか?を常に意識することで、行動が変わっていく。
・こなしたタスクの数をKPIとしておく
→タスクを多くこなすことは小さなサイコロを多く振ることだから。(しかし、タスクの数をこなす事を目的としてしまうと、無駄なタスクを自ら作り上げてしまう人が生まれてしまう。)
・多少のリスクは背負う
→スピードを重視することで、デメリットに気付かず思わぬ損失を生んでしまうことは多々あるが、大抵のことは大した損失ではない。必要以上に慎重になりすぎていて、時間という隠れたコストを考えることができていない。施策に潜んでいるリスクに数多く、瞬時に気付くことができるようになると、ケースバイケースでスピードを緩めてでも慎重にやるべき事柄なのかを判断できるようになる。
・「じっくり考える」と「遅い」は別
早めにじっくり考えよう。
事業成長の観点でアクションのスピードが遅いことは基本的には何よりも悪なのである。
組織としては、いかに何かの「待ち時間」を作らないかということや「時間というコスト」に対する意識を持つことが重要である。特に、人間関係を意識してアクションが遅延することが多いので、そこをどう解決していくのかがキーになる。
個人として成果を出す簡単な方法は、
「長時間働く」ことで、数多くのサイコロを日々振っていけます。(働き方は人それぞれで、善い悪いとは別の議論なので、長時間労働を推奨しているわけでも否定しているわけでもありません。)
■当たりの出目を増やすには?
・勉強する
個人個人が自分の仕事のプロフェッショナルになる意識が大事
勉強しないといつまで経っても、サイコロを多く振ることでしか成果を出せない。そもそも最低限のレベルに達していないと、当たりの出目の数が少なすぎていつまでサイコロを振っても当たらない。
・プロフェッショナルに頼る
個人で全ての領域のプロになることは、時間的に難しい。その専門領域のプロに頼るか、組織内で各分野のプロフェッショナルを作ろう。
しかしながら注意することとして、
どんなに勉強したからといって、サイコロの出目が全て当たり面になることはありません。プロ野球のトップだって、打率は4割はいかず、平均打率は2割5分前後と比べても1割5分程の違いでしかありません。(どんなにプロでも打率は10割ではないのです。)
当たり面を増やすことも大事ですが、
結局はいかに短い期間で多くの打席に立つかで、成果は変わってくるのです。
■確率は収束する
実際のビジネスにおいては
当然1回目のサイコロで当たりを引くこともあるが、ビジネスでは日々サイコロを振り続けていく為、確率は収束していく。個人もそうだ。
だから結局のところ短期間ではなく、中長期で成功したければ、サイコロの当たりの出目を増やす努力をしながら、数多くのサイコロを振っていく必要があると考えています。
確率が何%のサイコロを振っているのか?
例え1/100の確率のサイコロでも、誰よりも速く高速でサイコロを100回振れば成果は出ます。
とにかく早くサイコロを振ろう。
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