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【読書】今日もていねいに。松浦弥太郎No.007(PHP文庫)

詩集のようだからゆっくり読める。


どんな本か。

丁寧に暮らす方法が、短編の詩集のように綴られている本だ。
いくつかの方法論がちりばめられているようなものだが、方法論と言ってしまうと、少し違う様な感覚で、スキルや技術といった今までに自分には無かった異質なものを取り入れるというよりは、無理なく少しだけ人生を豊かにするようなエッセンスを教えてくれる優しい先生の様なイメージ。
普段食べ慣れているカレーに、今日はソースをかけてみようかと、いうような感じだ。

自分プロジェクト。

そんなソースのようなアイデアの一つが「自分プロジェクト」だ。
やり方は簡単で、自分がやりたい事をメモし、リストにして、よく見える場所に貼っておく
期限は決めずに自分に無理のないペースで、ゆっくり着実に達成していくというものだ。
弥太郎さんは、この自分プロジェクトの一つに「好きな曲を、いい感じにギターで弾けるようになる」というものを掲げている。
まだその境地には達していないようだが、プロジェクト自体は「やらなければいけない」ことではなく「やりたいこと」だと言う。
それは日々の楽しみであり、そういった小さな一つ一つのプロジェクトが、人生を豊かにする秘訣なのだそうだ。

成功体験、嬉しい感覚。

長期のプロジェクトであれば気長に楽しめる。
短期のプロジェクトもいくつか設定すれば、何か人生にハリのようなものが生まれると思う。
日々の生活を見直してみるという、この方法は弥太郎さんの小さな事を大事にするという理念のようなものが窺える。
小さな達成感を感じる事で、自分に自信が生まれると思う。

慣れてきたら仕事にも応用してみる事もすすめている。
自分の仕事が複雑だとしても、その一つ一つを分解してみると、案外小さなことの組み合わせで、私自身も大枠で見過ぎているのかもしれないなぁという気付きを得られた。

丁寧に暮らすとは?という疑問が少しだけ溶解した。
一つ一つを丁寧に。

それが習慣となり連続するものになり、やがて大きなものになるかもしれないという希望が持てる。

希望が無ければ、生きるのは辛いだけだなと。

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